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「蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める」




私の故郷・福井には「人絹取引所」がありました。
人絹=ポリエステル繊維の産地です。
ポリエステルは、人工的には最高品質の布です。
しかし、やはり絹の風合いには適いません。
しかも、絹においてはイタリアの絹織物には、
すっかり追い抜かれてしまっています。
それは、蚕が繭になるときの観察をそのまま技術化したことです。
それは蚕が糸を紡ぎ出すときに体を数回振るという
発見があったと言われています。
いわば、繭に成るときにすでに撚糸が終わっているということです。
それをいわゆるポリエステル素材への様々な工夫が生まれました。
子供の頃には、母の実家親戚には織物工場をやっていました。
私の伯父も繊維技師で、
繊維産業が隆盛していたときには大手繊維企業の北陸支店長でした。
いわゆる織物からニット産業に変わる時には、
スピーカーのサランネットなどの選択や発注には、
北陸のメーカーを見て回りました。
しかし、もうその時には、小学校時代そのままの工場でした。
これでは日本の繊維産業は駄目になる、と思っていた頃に、
蚕から繭への観察から繊維の撚糸工程を革新したことを知りました。
自然との調和などありえず、
絶対に自然の観察に限ると
私は人工的技術の一つの革新があると思っています。
私は、絹織物でのスカーフやネクタイが大好きです。
スカーフは横浜の地場産業です。
そして、ヨーロッパのあるブランドが
西陣織りでのネクタイを商品化したとき、
このブランドは人気を失うと思っていました。
やはり、そのような顛末を迎えました。
40年も「モノづくり」、その根底に蓄積されてきたことは、
格別に、自然の観察は重大だということがあります。


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3 Responses to “「蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める」

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 8月 10th, 2014

    [...] 新ブランドの最初「O-FUKUSA」は彼へのオマージュです。 「蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める」 「『SILK』Projectが示唆している重大さ」 [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:30 AM on 7月 24th, 2016

    [...] * 『糸は日本語漢字の重大意図を持つ』 * 『蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める』 * 『芸術という技法が引用したことから』 [...]

  3. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:37 AM on 12月 5th, 2017

    [...] * 「蚕が平面繭をひたすら吐き続けた『SILK』」 * 「蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める」 tag: 18世紀, アーカイブ, ガラス, ガラス作家, ガラス工芸家, ガラス系, [...]


This entry was posted on 金曜日, 1月 27th, 2012 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.