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「モードからファッションへ、そして遡及する記号の再生産」





ジーンズは、未だに魅力的なモノです。
そして、ジーンズにはジッポーのライターが似合っています。
いづれも、米国開拓史に登場してくるモノですが、
これを「機能的なモノ」、
あるいは「アノニマス的なモノ」と呼ぶだけでは物足りません。
私は、ジーンズとジッポーはすでに、
モードとしてラング化された記号であるにも関わらず、
ファッション、つまりモードが
すでにしっかりと定着しているモノの一つの代表だと思っています。
当然、製品記号論的には、
アウトドア・カジュアル・日常的な性能性・効能性・機能性を
完備した「記号」と考えることが可能です。
しかも、さらに重大なことは、
ローコストでただの作業服にすぎなかったモノがハイコストで、
フォーマル性も獲得してきたパロールがラングにいたっていることです。
ジーンズという形態言語は
さらにデザイナーズブランドに遡及していくことが可能です。
これは、ある意味では
「マルクスの経済的な論理」をすでに壊しているという事実です。
ジッポーは、カジュアル性に留まらず、
デコレーションデザインによって、
フォーマル的な存在性を獲得することが出来ます。
それは、すでに今では
不変的・普遍的な記号=コードとモードを兼ね備えながら、
新規な記号性を引き寄せる記号、
すなわち、
記号の再生産まで成し遂げる存在=効能性を確約した
性能と機能を有しているということです。
私自身にとってジーンズはまだ老体ながら、
身体化できるファッションとしてワードローブに、
それも選び抜いたモノをコレクションしています。
しかし、ジッポーにいたっては、
すでにタバコも吸わなくなっているために、
緊急防災備品としての発火道具というツールとして、
あるいはジッポーにあるテーマシリーズ化されたコレクションを
メディアとして所有しています。
つまり、すでにジーンズもジッポーも
「コード化された記号」を所有価値中心ということに至っています。
記号の再生産がユーザーが果たすモノになっているということです。
したがって、デザイナーズブランドになっているジーンズには、
仕掛けようとする造形言語を付着させようが、
それはパロールには決してならずにラングの中に、
ディクショナリーとしての記号性は揺るぎ無きモノになっているのです。
ジーンズ、ジッポー、この商品が記号に至ったコンテクストこそ、
明確な情報社会でのテキストになっているはずです。


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3 Responses to “「モードからファッションへ、そして遡及する記号の再生産」

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:39 PM on 12月 4th, 2012

    [...] ・「情報化への入り口は 記号論or記号学だった」 ・「モードからファッションへ、 そして遡及する記号の再生産」 ・「言語系は、 聞くことと見ること・その相対論」 tag: [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 11月 2nd, 2016

    [...] ば、 自ずと三人称デザインが簡潔と完結するでしょう。 * 「モードからファッションへ、そして遡及する記号の再生産」 * 「日本のモノづくりが構築すべきこと」 * 『 イン [...]

  3. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 5月 19th, 2017

    [...] 色彩を身体化できないのは基本的にセンスを失うのです。 * 「モードからファッションへ、そして遡及する記号の再生産」 * 「正直な造形をめざすことは裏表無し」 * 「カラー [...]


This entry was posted on 金曜日, 11月 23rd, 2012 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.