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『K7の最高機種デザインはAurexデザインだった』





「K7」、フランスでは「K=カ、7=セット」の表現でした。
カセットテープとLPレコードに私はデザイナー初期の頃には
最も関わっていたと思います。そしてもはやそのソースは伝説です。
これがカセットでは最高のモノ、TDKメタルカセットテープです。
しかし、TDKの商品ですが、デザインは東芝オーレックスチーム。
当時のKチーフは、Aurexブランドのために引き抜かれて、
私の直属チーフであり、私のようなどうしようもないデザイナーの
わがままを見護ってくれていました。今も恩師の一人です。
オーディオデザインにとって、最大の敵はS/N比でした。
アナログ信号に対する雑音比の問題です。
今となると、デジタルはそのS/N比消却だけであり、実際は、
信号をとりまいている雑音に安らぎがあったのだと思います。
カセットテープにはモーターだけでなく、テープそのものにも、
振動系が被さってテープの雑音制御が必要でしたから、
テープ重量と回転振動系をアルミ無垢材で物理的にも押さえ込む、
この方式開発はチーフ指示がありそのモデル化図面化をしましたが、
テープ製造はTDK発注となり、結局このデザインを売却したのです。
Aurexブランドに出来なかったのは、上層部の判断でしょうが、
若気盛んだった私が噛みついていましたが、チーフは大人対応で、
「デザイン権売却」を成功させていました。
だから私は以後のカセットテープはこれを使っていたようです。
フリーランスになってからは、カセットテープ関連を
様々に商品アイテムを開発してヒット商品を出していました。
車イス生活でふるさと福井にいた頃、貧窮すると必ず東芝から、
デザイン依頼がありましたが、後になって、それはすべてKチーフが
私を助けてくれていました。
あるとき、私がタケフのナイフ開発の頃、チーフはその出来映えから
「カワサキ君、これで君は必ず復活してくるよ」と励まされました。
時折、私の講演会を最後尾で聴いていただいています。
チーフが私に、
「そういえば、君には金の儲け方を教えなかったね」と
言われたことがありました。彼は幾つかの企業を成功させています。


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3 Responses to “『K7の最高機種デザインはAurexデザインだった』”

  1. TDK MA-Rというデザイン(ステレオ時代という本とその記事・その1) « audio identity (designing)
    10:32 PM on 1月 23rd, 2015

    [...] けれど、そうではないことは「TDK MA-Rというデザイン」でふれた。 川崎先生のブログへのリンクもしている。 [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:02 AM on 6月 7th, 2017

    [...] このK7デッキのデザインが象徴的です。 参考:Aurex 私デザインは5060 * 『K7の最高機種デザインはAurexデザインだった』 * 『ビートルズに出会った世代の幸運さ』 [...]

  3. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:02 AM on 4月 18th, 2019

    [...] どうしようかと迷っていましたが結局、これを入手しました。 *メタルカセットテープ tag: AM/FM, Aurex, Aurex専任, CD, Hi-Fi, Kさん, TDK, USB, アイディア, [...]


This entry was posted on 土曜日, 9月 13th, 2014 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.