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Posts Tagged ‘サイン’


「書く道具にはなぜか心惹かれて」


   


     3月 21st, 2012  Posted 12:00 AM

また、硯に心惹かれてしまいました。
パームトップと言っていいほど、
掌に収まる小っちゃな硯箱セットが私を呼び留めました。
「これが私の所に来たがっている」と言って、
ワイフに睨まれながらも買い求めました。
ただ、硯の仕上げはいまいちです。
もう私が要求する技術は無くなってしまったのか、
あるいはそこまで技ある職人さんが
居なくなったのかもしれません。
まずまずの出来映えであり、市価もそれほどではありません。
しかし、筆の出来映えはこれは伝統が確実に生きていました。
硯石も仕方ない出来映えです。
多分、筆から硯など全てがそれぞれの産地で造られているのでしょう。
だから、全体のまとまりには技の差が明確です。
でも気に入っていて、すぐにこれではがきを書きました。
きっと、出張時に持ち歩くことになるでしょう。
もし、自著にサインを求められたらこれで書く、
こんなことをワイフに言ったら、
「相手の人がびっくりしてしまうからせめて矢立にしたら」
と言われました。
それにしても、硯を擦っていると心が癒やされます。
そして、筆をとればますます癒やされます。
これほど癒やされる道具なのに、
どうしても細部の仕上げが気になって仕方ありません。
デザイナーだから、それはひとつの物狂人なのだと自覚しています。
そうして、ちっちゃな硯に向かっていると、
収集しているすべての硯石が気になって仕方なくなってしまいます。
どうして、「書く道具」にこれほど心が引かれるのでしょうか。
でもこれは幸運な性分だと思って満足しています。
リタイアしたら、毎日、硯から万年筆まで、
毎日眺めて過ごしたいと思っています。
そういえば、半年前に注文していた万年筆が届きました。
それがそうした雑誌の表紙になっていて、
「どうしてこうなるモノを選んでしまうの?」と、
またしてもワイフから聞かれます。
「性分」、そしてプロだから、
(幸せな自分だ)と思えてなりません。

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『資本主義からの逃走』
「手旗信号、モールス信号、子供の頃から現代まで」


   


     5月 16th, 2010  Posted 12:01 AM

モールス信号
子供の頃に、手旗信号をいわゆるガキ仲間でマスターして遊んだことがあります。
モールス信号は、父が教えてくれました。
そして、当時市販の通信セットを組み立てました。
これは、覚え方があったのです。
イ=Aは、 「・ー」で、A、イ、トー
ロ=Bは、 「ー・・・」Bー、ロージョウ
ハ=Cは、 「ー・ー・」Cー、ハー、モ、ニー、カ
などや(正直もう忘れています)、
Twitterでoctopusoctobus さんからは、
A=イ「アロー=イトー」
B=ハ「ビークラス=ハーモニカ」
C=ニ「シーノコース=ニューヒゾーカ」懐かしいと教えてもらいました。
肝心なのは、SOS=Save Our SoulsまたはSave Our Shipで
「SOS=・・・ーーー・・・」です。
これは、私の「緊急発進ラジオ・東京ラリア」という作品に表示して、
笛の拭き方を示すのに利用したことがあります。

手旗信号
手旗信号は、最近、映画「剣岳」でそのシーンを見て、
「僕は出来るんだぜ」って言って、
カタカナ表記を両手で表現するのをワイフに見せて、自分では自慢していました。
ワイフは「フーン」って言われただけでした。女にはこの凄さわかんないんだ!
さて、人は、遠くにコトの次第を通信するのに、
「のろし」や「手鏡」や、手旗信号、モールス信号などを発明してきたのです。
RadioやVideoの意味も、「遠くの音を聴く」、「遠くのものを見る」ですから。

ピクトグラム
記号では、「ピクトグラム」というのがあります。
無論、大学時代に基礎を学びました。
ちょうどそのとき、大阪万博で「サイン」と呼ばれるピクトグラムが発表。
会場のポイント表示がされたのです。
今では当たり前の、たとえば「トイレ」のサイン、
大抵は、青い人のかたち=男性で、ピンク赤の人でスカート=女性です。
ところが、当時、これが日本人にはまだ不明だったのです。
だから、「便所」とそのサインの上に貼りだしたという話が残っています。
私は、上海万博で、とてもおしゃれなサインがデザインされているのを見て、
これが「中国の現代化」を象徴していると思いました。
もちろん、各国の空港には、このピクトサインが架かっています。
だから、目新しいモノや、
ピクトグラムのデザインで優れているものを見つけることは楽しみであり、
必ず写真に撮ります。
特に、障がい者向けやいわゆるユニバーサルなデザイン表現は、
自分のデザインテーマでもあるのです。

情報の記号化と信号化
このピクトグラムが、パソコンでは、「アイコン」になっています。
そして、この「アイコン」という記号、情報の記号化は、
いわゆる情報のメタファーや、情報のアフォーダンスから、
さらに、記号が信号化していく進化が望まれているのでしょう。

記号の信号化
信号の記号化
目の前にiPadがあります。
さて、「写真アルバム」と言われている写真が上積みになった「表現された記号」は、「アルバム」という名称が、もはや、「変更を余儀なくされています」。
すでに、記号化された信号と、信号化された記号には、
新たな名称が求められているのでしょう。
そしてこれが、
記号化された信号と信号化された記号、こうしたことを融合と統合する、
「新たな文化」創出の時代に私たちは直面しています。


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11月17日Staff Blog


   


     11月 18th, 2009  Posted 12:00 AM

11月17日

「恵存 川崎和男」

著書へのサインは、
こう記すBOSS(川崎和男)です。

「恵存」は、お手元に保存していただければ
幸いですと、思いをこめて。

このお札のフクロウ、BOSS画。
かなり見識深そうなフクロウ!
学問、知識、知恵の象徴、フクロウです。
091118fukurou


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