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『新産業「セルロース」+「二酸化炭素」がデザイン対象』


   


     1月 14th, 2017  Posted 12:00 AM



福井に居た頃は、越前和紙に取り組んでいました。
オータキペーパーランドを設立してデザイン導入を図っていました。
成功した商品開発もあれば失敗も随分と重ねました。
しかし、今でも彼らとの交流は続いています。
それだけに「和紙」がユネスコ認定されたとき、喜びましたが、
その認定に肝心の越前和紙が選ばれなかったことでは、
担当キャリア達と福井選出の参議院議員の方と相当論議をしました。
この顛末はいづれ著述するつもりです。
越前和紙とは相当に取り組んできましたから紙、特に和紙については、
一家言を自信たっぷりに持っていると自白しておきます。
雁皮・楮・三椏を基本として紙を考えてきました。
その結果が「セルロース」と巡り会ってきたのだと確信しています。
さて、人口あるいは地球はやがて100億人を超えるでしょう。
それと同時に二酸化炭素は地球の「温室効果ガス」として、
地球環境を破壊していくことは明確になり、その制御のために、
「パリ協定」が結ばれました。
今、私は次世代デザイナーに不可欠な知識とデザイン対象は、
二酸化炭素の削減、それを成し遂げるのは「セルロース」のデザイン化、
これが最も重大だと考えています。
ここには、無論、コンピュータ技術やデジタル化などは必要ですが、
それが次世代の産業になるとは決して考えていません。
むしろセルロースと二酸化炭素とのデザイン対象をどう産業化するかです。
新産業の創成、それは農業革命・産業革命・情報革命から、
自分なりの新産業の創成をデザイン主導することを提言していきたいと
真剣に考えています。
そしてこれが私のデザイナー人生の最期の提案にしたいと望んでいます。



* 『伝統工芸産地を補助金漬けから開放し法律の改正が必要』
* 「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」
* 『布、なぜシルクロード、シルクボイスだったのか』
* 『納得出来ない日本の伝統技=和紙の切り売りと分断化』
* 『今年度最終「KK適塾」で基幹産業を紹介する』


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「蚕・繭・絹・・・観察が『技』を決める」


   


     1月 27th, 2012  Posted 12:00 AM


私の故郷・福井には「人絹取引所」がありました。
人絹=ポリエステル繊維の産地です。
ポリエステルは、人工的には最高品質の布です。
しかし、やはり絹の風合いには適いません。
しかも、絹においてはイタリアの絹織物には、
すっかり追い抜かれてしまっています。
それは、蚕が繭になるときの観察をそのまま技術化したことです。
それは蚕が糸を紡ぎ出すときに体を数回振るという
発見があったと言われています。
いわば、繭に成るときにすでに撚糸が終わっているということです。
それをいわゆるポリエステル素材への様々な工夫が生まれました。
子供の頃には、母の実家親戚には織物工場をやっていました。
私の伯父も繊維技師で、
繊維産業が隆盛していたときには大手繊維企業の北陸支店長でした。
いわゆる織物からニット産業に変わる時には、
スピーカーのサランネットなどの選択や発注には、
北陸のメーカーを見て回りました。
しかし、もうその時には、小学校時代そのままの工場でした。
これでは日本の繊維産業は駄目になる、と思っていた頃に、
蚕から繭への観察から繊維の撚糸工程を革新したことを知りました。
自然との調和などありえず、
絶対に自然の観察に限ると
私は人工的技術の一つの革新があると思っています。
私は、絹織物でのスカーフやネクタイが大好きです。
スカーフは横浜の地場産業です。
そして、ヨーロッパのあるブランドが
西陣織りでのネクタイを商品化したとき、
このブランドは人気を失うと思っていました。
やはり、そのような顛末を迎えました。
40年も「モノづくり」、その根底に蓄積されてきたことは、
格別に、自然の観察は重大だということがあります。


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