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「青色・好きな色選んだら出逢った音色」


   


     4月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

どういうわけか、「青色」を選びます。
デザイナーになって以来好きな色は持たないという決心を守ってきました。
デザイナーはすべての色に公平であるべきであり、
すべての色が素晴らしいことを伝えるのがデザイナーの役割だからです。
したがって、自分の持ち物もこれまでは様々でしたが、
50代になってからは持ち物はなるべくすべからく「青」に拘ってきました。
だから、青色のモノを見ると、よく衝動買いをしてしまいます。
しかし、決して衝動買いしないモノがあります。
それはオーディオ関連のモノです。
それは自分がオーディオに関してはプロだと思っていますから、
特にオーディオは決して衝動買いはしません。
ところが先般、
ライフスタイル提案のショップでヘッドホンを見つけました。
単に「青色」の発色が美しいと直感したからでした。
まして、オーディオにはその性能に関しては「絶対」を求めます。
オーディオの「絶対」というのは、
私のデザインに対する「絶対」に近い私なりの評価軸の正当性です。
だから、オーディオ性能で求めたわけではありませんでしたし、
ブランド「URBANEARS」も知りませんでした。
ほとんど期待無く、iPodにつないでみて、私はびっくりしました。
私の聴覚では、ほとんど合格の音色でした。
シュアやゼンハイザー、JBL、BOSSをもしのぐ、
素晴らしい音色を持っていました。
あらためて、商品性としてのパッケ?ジや取説を読み直し、
このようなブランドが北欧から生まれてきていたことを知りました。
このブログに私が記述するというのはそれなりに自信を持って紹介したいと思ったからです。
いわゆるオーディオ専門誌ですら、
この製品性能から機能性を評価はしていません。
ならば、私のそれもプロとして、
オーディオとデザインから評価を記述しておきます。
私の「青色追求」にはこれから衝動買いが始まる予感があります。

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「カートリッジデザインのフィニッシュワーク」


   


     1月 13th, 2012  Posted 12:00 AM

おそらくカートリッジと言ってももう不明でしょう。
LPレコードを再生させるレコード針のことです。
写真は、東芝で最後の商品であるイコライザーアンプ用の、
エレクトレットコンデンサーのレコード針・C-400と、
フリーになって、
「ナガオカ」=レコード周辺アクセサリーメーカーの仕事です。
もう「ナガオカ」は消滅しましたが、
元社員の方々で「レコード針』販売は続いています。
「ナガオカ」の商品は今も専門店で販売されています。
「ナガオカ」は最初に私のパトロネージュになっていただいた企業。
だから、このシリーズは私にとって作品ですから、
全製品買い求めたいのですが、
おそらく100万円ぐらいになるほど高価な商品です。
もはや、レコードプレーヤーは使っていませんから、
持っていたレコード針はもうこれだけです。
ピッカリング、オルトフォン、シュアなど再現音が懐かしいです。
LPレコードファンは今なおマニアックにおられます。
私も「糸ドライブのプレーヤー」そしてその周辺機器で、
たっぷりと「アナログのレコード演奏」を聴いてみたいと思っています。
だからLPレコードもきっちりと100枚だけ残してあります。
今、CDもリッピングして整理、100枚だけ残して整理をしている最中です。
この写真の「ナガオカ」商品は、パッケージデザインでは
当時、肉厚成型で今はもう出来ないかもしれません。
Aurexはエレクトレットコンデンサータイプだけれど、
ヘッドシェル(カートリッジを取り付けている)は、
マグネシウム合金で一体成型、
よって、針先への振動を可能なだけ遮断することをめざしています。
車椅子になる直前と直後の仕事です。
つまり、性能を出来るだけ完成度を求めるために、
素材や成型加工に至るまで、本当に丁寧な仕事をしています。
パッケージ、ヘッドシェルいづれも、時々取り出して眺めていると、
現代の「モノづくり」は手抜き仕事に思えてなりません。
デザイン・生産設計・商品化まで、徹底的に性能から機能を求めました。
やはり、徹底的な「仕上げ」=フィニッシュワークはデザインの本質です。
デザイナーである限り、決して忘れたくありません。

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