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Posts Tagged ‘回路図’


『実寸のペーパーモデルやレゴブロックでのモデル』


   


     1月 9th, 2019  Posted 12:00 AM

実寸のペーパーモデルです。
これは、私が世の中で一番上手いと思うチーフスタッフが制作しました。
坂野氏が作ったペーパーモデルは
当然デザインを検討するためのモデルで
耐久性をのぞんだモノではないのですが、
坂野氏のはモデルはいつまで経っても堅牢性があって、
実際はデザイン資料として現存もいくつかは保管してあり、
私の個展には展示したことがあります。
チーフの坂野氏は今はいくかの大学でも教えているので
細かなディテールまでつきつめるDNAが継承されることを望んでいますが、
なかなかスタッフの坂野博行氏ほどにはならないでしょう。
なぜなら、ペーパーモデルと同次元で、
新たなアイディアを入れなければなりません。
今ではデジタルソフトで、3D表現こそデザインと思っている、
そんな学生やアシスタントが大勢います。
だから、ペーパーモデルや段ボールでのアナログ性、
さらには、レゴブロックで思考できるデザイナーがいません。      
私自身の考えでは、こういったプロセスが実寸性が最も近いのです。
私はさまざまな世界観でアナログからデジタルを往来しているのです。
アップルとの仕事も、当時レゴブロックで回路図も考え、
それをエンジニアに見せ、実装の回路まで組み込ませてきました。
現在では、5分の1でも家具は考えられるようになっていますが、
今でもベースは実寸モデルがデザインワークと思っています。
角やアールも手が覚えてくれますから、
すべてがアナログから始まっています。


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『カラーバーが性能表示を明示している』


   


     12月 6th, 2014  Posted 12:00 AM

電気に関して最も初期に知識化するのは、二つの法則です。
電荷の法則である、オームの法則と、
磁荷の法則、クーロンの法則があり、
多分、そのことはすぐに忘れられてしまうのですが教わります。
私はオーディオをデザイナー職能の対象にしていたために、
この二つの法則はいつでも側にある気がしています。
電子部品は、ほとんどがアノニマスデザインですが、
なかなか興味深いモノが沢山あります。
いわゆる抵抗器というのは電流と電圧を制御する部品にすぎませんが
この部品は存在が美しいモノだと思っています。
オーディオ工場に駐在することが正当だと思って社会人デザイナーを
スタートさせた私は、電子部品すべてに取り囲まれていました。
そして、最も驚いたことは、回路図を簡単に書き上げて、
そのワーキングサンプルを作成する現場では、
抵抗器にあるカラーバーで、その抵抗値を諳んじている人が多く、
しかも、回路実装での、分圧や電流制御を簡単に決定する
そんなエンジニアたちと仕事をすることができたことです。
美大卒の私が、回路図を覚えることができたのは、
こうしたエンジニアたちが、私がほしいという電子回路を、
それも簡単に造ってもらうことができたからです。
たとえば、ヘッドホンの自重と側圧=両耳を押す測定器や、
両耳の感応測定器などは、自分仕様を造ってもらっていました。
ともかく、そんなときに彼らは抵抗器のカラーバーを
見るだけで、抵抗値は分別し、分圧や電流値を決定していました。
カラーバー表現の有効性を目の前で覚えることができたのです。
この小さな抵抗器にはカラーバーが入っているだけですが、
これは装飾されたパターンでは無くて、明確な表示ですから、
デザインされているということです。
そういう意味では、アノニマスデザインの一つだと言えるでしょう。


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『オーディオ界で出逢った新技術と二人のエンジニア』


   


     9月 11th, 2014  Posted 12:00 AM

東芝入社は一方的に主任教授の命令でした。
シンセサイザーのデザインを追いかけ始めていた頃、
これが可能な企業はヤマハのエレクトーン、もしくは
東芝のオーケストローンしかなく、教授はそれで私を東芝でした。
しかし、すでにオーディオ狂いしていた私でした。
「ラジオ技術」か「無線と実験」どちらかの雑誌で、ある記事に注目
この切り抜きを持って入社しました。
「光電子カートリッジ」と「ICカートリッジ」の記事でした。
そして、この開発エンジニアに出逢うとは思ってもいませんでした。
レコード盤から音がする?、その音のピックアップとしての
カートリッジに光電子やIC回路という発想が技術化されていました。
この当時は、まだシステムコンポブームの直前でした。
単体でのカートリッジやそのイコライザーアンプをともかく国産化。
日本のオーディオとその技術には夢があると信じ込んでいた頃です。
なにしろ、カートリッジこそ、まさに米だったのです。
つまり、とても高額であり小さな機器なのに技術集約の極限でした。
東芝での第一希望はオーディオ、第二、第三もオーディオと
領域志望欄に書いたら、「そんな奴はいらない」と言われました。
その翌日に辞表を持ってその人に持っていったら、
「冗談だよ、冗談・・・!」と言われて、
(バカヤロー、お前なんかと働くもんか)と思ったものです。
しかし、このカートリッジのエンジニア2名とは、その後も、
私のデザインを高く評価してもらい、私のあだ名は「巨匠」でした。
以後、この二人とは、エレクトレットコンデンサーや、
リボンカートリッジ、そして徹底的に回路図まで教わったのです。
私が、交通被災したときも随分と心配をしてもらい、
退院直後には、音響機器のデザイン設計で生きていくことに、
何のためらいもなく、たとえ車イスであろうがと励まされました。
東芝時代の音響機器だけのデザイン業務は、ハード設計だけでなく、
バイノーラル録音や音響編集、イベントのディレクターまでを
存分に学ぶことができました。
それは、この二つのカートリッジに惚れ込み、しかも、
この二人に東芝で出逢えたことが、私の財産の大きな一つでした。

「ここまで粘り、あきらめないこと・・・」
「バイノーラル録音・本当の耳音」
「ヘッドホンから始まりました・・・」
「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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