kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘情報攪乱性’


『資本主義からの逃走』
  「虚構・大河ドラマのヒーローはトリックスターである」


   


     11月 4th, 2010  Posted 12:01 AM

坂本龍馬はヒーローか
NHK大河ドラマは日本の歴史的物語です。
毎年、誰が主役となりその活動の街が脚光を浴びます。
今年は「坂本龍馬」でした。
時代は幕末、大政奉還という日本の転換点が選ばれました。
制作側には、現代日本に対するなんらかの意図があったのでしょう。
ヒーローがトリックスターとなる虚構性
この大河ドラマは日本人に対して、
大きな連綿させるべき意識構造の維持をめざしていると私は思ってきました。
しかし、このドラマはヒーローを演出した情報操作だと判断しておくべきでしょう。
すなわち、大河ドラマに関わらず、
いわゆる歴史小説はすべからくその主人公をヒーローとした「虚構」、
情報操作どころか情報攪乱性さえあるということを分別しておかなければならないでしょう。
結局、歴史物語・歴史小説・歴史そのものが、
ある意味では、歴史情報・歴史時空間性での虚構性があるということです。
日本にとって、300年の武士社会・鎖国時代からの解放であった明治維新には、
現代日本のその後の原点の多彩な展開があり、登場するヒーローへの強い敬愛観が出るものです。
私は、明治維新に至るまでの1800年代を見るとき、近代日本の医学的歴史書に最も注目しています。
理由は、ただ一点です。
虚構非在の歴史性
医学的な事実には、「虚構性」を忍ばせることは不可能だと考えるからです。
幕末から明治維新での、経済史・政治史・その他どのような領域においても、
「虚構」を包含させる可能性があるからです。
杉田玄白から福沢諭吉に至るまでの史実の中に、
幕末・大政奉還が記述されている近代医学史に、当時の政治情勢、特に開国に至る経過には、
坂本龍馬というヒーローはまったく存在していません。
となれば、トリックスターをもってのヒーロー物語は、
「虚構」そのものでしかないことを明記しておきます。


目次を見る