kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘折り紙’


『日本の伝統遊戯である折り紙には「綺麗さ」がある』


   


     1月 10th, 2018  Posted 12:00 AM

折り紙=ORIGAMIは、日本の伝統的な子どもの遊びを超えています。
それどころか、海外ではもはや鉄板ネタと言ってもいいでしょう。
Macintoshを最初に使った自分デザイン展=越前若狭展NewYorkには、
MacDrawだけで「ORIGAMI」をソフトとしてデザインして持ちこみました。
ワイフがかなりなんでも折れるようで、子どもとの大きなコミュニケーション、
そのツールになっているようです。
折り紙素材は、100円ショップから高級ブランドからも商品になっています。
私が注目しているのは、昨年の文具大賞にも応募がありました。
とても素晴らしい折り紙専用紙でしたが、
高価過ぎると思っていたところ、さらに、
高級ブランドから日本ならではの素材が登場し始めています。
正直、私が創れるのは、折り鶴とカブトぐらいです。
ともかく海外で子どもたちにヒットするのは折り紙です。
折り紙で作られる動物、植物、物などは、その「かたち」=形態言語は、
決してOrigamiとkawaiiが連鎖していないことに注視すべきです。
私の判断では、Origamiは「綺麗な物」になるのです。
折り紙作家の作品は芸術的とも思えますが「綺麗さ」を表現しています。
私はOrigami:kawaiiよりも、折り紙と綺麗さに美学的な繋がり。
この連鎖性を見つけられるのではないかと思っています。
それは、kawaiiという形容詞ではなくて、
折り紙での形が形態言語(デザイン内容)として形容動詞での「綺麗さ」、
それはモノづくりに直接関わる行為=動作が
形容動詞になっていることをデザイン美学の
一つの大きな手がかりにしたいと考えています。


目次を見る

「折り紙・おりがみ・ORIGAMI、起源は絶対日本」


   


     9月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

私がNew Yorkで個展を最初に開催したとき、
すでにMacintosh512Kを使ったと記憶しています。
そして、ソーホーの画廊からも、「日本的なモノ」をと要請されました。
そこで、「ORIGAMI」ソフトを創りました。
日本の折り紙を、プリントアウトすれば、
それが代表的な折り紙を点線や破線で
山折りとか谷折りができることを仕組みました。
そのソフトは、倉庫のどこかにあるのです。
スタッフがやっと見つけてくれました。(写真右上下)
ところで、折り紙起源説はいくつかあります。
当然、紙の発明が中国だったから、中国説がありますが、
ほとんどその形跡は歴史的に残っていません。
私は、絶対に平安時代から、日本独自のモノだと思っています。
以後、欧州でも、
スペインやフランスにもそれぞれの呼び名で「折り紙風」があります。
しかし、絶対に折り紙は、
日本独自の「正方形の紙」からの「遊び」の一つだと思っています。
なんとか、最初のソフトを探し出して紹介し直してみたいと思っています。
それは、もう一度、日本の創造・造形手法を再考する
大きなヒントがあると考えているからです。
最近は、
とうとう日本の家電業界に終焉の時期がきたと思わざるをえません。
この根本的な原因や、
これからの家電業界のあり方を「革新」しなければならないのです。
そこで、もう一度、
千代紙や折り紙に潜んでいる
日本の伝統的な造形を考え直してみたいのです。


目次を見る

「風車にまつわる安全童話」


   


     6月 13th, 2011  Posted 2:05 AM

太陽発電は太陽からの恵み。
風が吹いたら風車が回れば、
風という自然現象から、
電力を得ることが可能です。
日本の折り紙で風車(かざぐるま)、
シンプルで、美しいかたちがあります。
伝統的な童具と言っていいでしょう。
この日本列島には、三種類の風が吹いています。
山からの風、
海からの風、
そして、瀬戸内海の風です。
日本は揺れ動く4枚のプレートに乗っている列島であり、
そのプレートがとてつもなく大きく変動しました。
今回、きっと地球の形すら変えたのかも知れません。
その揺れ動く上にある発電所は、
規模が大きければ大きいことで大変な被害を及ぼします。
原子力発電はもはや完全否定されようとしています。
私も納得できます。
それなら、風力発電が代替エネルギーということです。
しかし、私は、この列島に風車が回っている、
まさにこの風景には、納得しかねるのです。
理由は単純です。
これも、技術開発にもっともっと創意工夫が必要です。
風車・プロペラなどはもっと形態開発が必要です。
風が吹けば、それだけで電力が得られるという話は、
きわめてシンプルで、子供にも理解と納得できる、
童話に繋がっているでしょう。
しかし、風力発電=安全かという論証はまだ未定であり、
想定すべき風力発電の内容が不完全です。
少なくとも、新しいプロペラのかたち、
そして発電機の新たな形式を開発すべきでしょう。
私には、まだ風力発電は「安全童話」です。
だから、これにもデザイナーの提案が必要です。

目次を見る