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Posts Tagged ‘最適化’


『コンセプトから「ライン発想」の三つの思考空間』


   


     4月 10th, 2016  Posted 12:00 AM

コンシリエンスデザインという発想手法は、
学術系+芸術系・文系+理系の融合性と統合的なデザイン方法です。
デザイン方法というのは、
問題解決・価値創出・未来創成を目標・目的としています。
そして、僕が最も重大視していることは
「コンセプト」からの発想からの解放です。
それは、三つのデザイン空間への文理統合、
その思考の照射・投影・透過・射影によって
形態設計と制度設計になります。
● SCOPE・スコープでは視点移動=dollyが重大です。
● PERSPECT・パースペクトではその思考空間に消失点の発見です。
● PANORAMA・パノラマは学術と芸術が統合された思考空間に
そのアスペクト=比率を明確にしていくことです。
かつて、僕がCG登場とともにトロントでCGの教育訓練を受けたときに
dolly=ドーリーという言葉を初めて知りました。
それは、画面上でカメラの焦点を当てて行くようにすることでした。
この言葉は当時の英英辞典にも無くて、質問をした経験があります。
まさしく学術的な知識の焦点を芸術的な視点で動かしつつ思考決定です。
パースペクトというのは思考の投影図を創造したときに、
消失点=Vanishing pointを見いだせるかどうかを
論理性と感性を統合しながら見いだす方法です。
そして、デザインを最適化するには、統合的な発想結果が
社会性、それは制度設計かもしれませんが、
適正ある比例配分を決定すること=パノラマ的であることです。
こうした思考を成し遂げていくにはすでに「コンセプト」だけで
デザイナー的な発想を語り出すことからは解放されるべきでしょう。
コンシリエンスデザインにはこの三つを繋いでいる
まさに「ライン・メソッド」=Line Methodがあるということです。

*『数理造形から見えてきたAtom時代の終焉 ・03」
*『色彩知識はトロントで消去、そしてbit色彩を知る・04』
*『色彩感覚とCAD感覚・05』
*『なつかしい三冊の本、そこにクラインボトルあり』
*『今秋より『KK塾』を開催します』


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『資本主義からの逃走』
 「資本と利潤・無資本と無料のBits-System」


   


     1月 30th, 2010  Posted 1:06 AM

Maximization

or


Optimization

資本に対して利潤とは、循環性を構築します。
その循環の効率性を、
最大化するのが、企業的組織だという考え方、と
最適化するのが、組織的企業だという考え方は、
自由競争社会、その基準、資本主義の解釈論でした。
したがって、利潤の最大化も、最適化も、常に、
議論されながらも結論はまったく見つからないままに、
今日に至っています。
そして、現在、私なども資本主義の終焉とか、
資本主義から逃走や解放される時代を迎えていると
言い始めているわけです。
さらに、循環論としては、
社会的な生理や、時代的な生理は、
「景気」という「躁鬱病的」なことがしばしば起こり、
結果が、最大化も最適化も実際は曖昧でした。
少なからず、
この景気循環は「恣意性」が謀略化されてもきました。

from PROFIT

  to BENEFIT

ところが、
無資本と無料化というシステムがデジタル技術の中で、
頭脳集約労働としての成果から生まれました。
そして、この成果はAtom時代の核心であった、
Atom資本、資本Atomが
「情報化=ネットワーク」で、無資本的になったことです。
無料としての配布、その効果がこれからの社会構造です。
無料だからこそ、
BENEFITが社会文化を構成するパワーが生まれます。
無料=Freeこそ、自由につながっています。
それを可能にしているデジタル技術はBitの集合です。
その集合だから利益・利潤は社会的な恩恵、
すなわちBENEFITです。
新たな経常利益と言っていいでしょう。
これを創出する経済主義思想は、
もはや、資本主義思想でないことは確実です。


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