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Posts Tagged ‘清々しい’


『見慣れている「場」のデザインは感情を撹乱している』


   


     7月 31st, 2017  Posted 1:22 AM

私の視線は車椅子上からは常に40年間一定です。
そしていつも気持ちがおかしくなるほど、
「変なデザイン」だと思ってきたのは
駅のプラットホームのこの不自然さなのです。
多分、これほどこの不自然さすなわち美しさなど皆無の「場」に、
大きな疑問を言い出すのは私ぐらいでしょう。
しかもそれなりに「鉄ちゃん」の一人なのです。
それは鉄道大好き人間なのです。
なのにこの不自然さを今主張しなければなりません。
日本が誇る新幹線の鉄道と点字ブロックが際立っている対比に、
美しさが大欠落していることに人間全てが目覚めてほしいいのです。
確かに、鉄道に誘導されている新幹線のデザインは、
車体デザインだけでは現在の駅・プラットフォームの「場」が、
破壊されていることに、感性を封鎖していることに気づくべきです。
それは風鈴の音がうるさいとか、
除夜の鐘は辞めるべきだとかラジオ体操の音、
子ども達の歓声が耐えがたい、
こうしたクレーム感情に連鎖したのだと思っています。
それならどうしてこの「場」の不自然さ、美の欠落にこそ、この感情、
すなわち、心の中に流れるドロドロの感覚を、清々しい感覚にすべきです。
プラットホームから、駅空間と列車のデザインは大変革をすべきなのです。

* 「メランコリー=悲哀・憂鬱の全否定が慈愛デザイン」
* 『もっと豊かな鉄道システムの統括デザインが急務』
* 『Zゲージで再確認するトランスポテーションの美しさ』
* 『いつも、なぜなんだって思う点字ブロックのこと』
* 「 視覚空間は存在しないことを認識する必要がある」


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『美しい運筆を体現すれば美しさがわかりそうだ』


   


     2月 22nd, 2017  Posted 12:00 AM

原稿は未だに私はegword Universal、もしくは、
Nisus Writer Proを使っています。
しかし、OSがchrome OSが一段と進化しているようなので、
hpのchromeでWordの縦書きを随分試しました。しかし、
うまくいきませんので、ついつい時間がとられています。
そこでパソコンに打鍵をする時間を減らそうと思って、
この「般若心経」の「空海」に向かっています。
これまでは、王羲之や藤原行成でしたが、
空海の運筆は、何と言っても「美しい」のです。
また墨汁メーカーの開明堂、その墨汁は選んで3種持っていますが、
この墨汁香は独特ですから、子どもの頃を思い出します。
小さい頃は一人っ子だったので、母は書道の前夜には、
墨をすって、それを当時は、
マヨネーズの空き瓶に入れてくれていました。
だから小学校の頃は絶対に書道大会では
優勝をとねらっていたものです。
そうした頃の思い出と、開明堂ゆえの筆ペンは、
太刀川氏からもらったこともあり、気に入っています。
小学生の学習ノート「ジャポニカ」に筆ペンで練習もしているのです。
筆ペンのカートリッジ1本は、使い果たすほど熱中しています。
久々に、空海の運筆文字は、草書体が肝心なところで変化しています。
この運筆は、本当に美しいのです。
「美しい」ことを体現するには、自分の運筆でこそ、
これがより美しさを身体化してくれるのだと確信しました。
まだまだとても下手くそですが、
空海の書に立ち向かっていることが清々しいのです。
来年、Red & Blueの椅子が100年になります。
それで、建築家やデザイナーに「展覧会をやろう」と言っています。
「デ・スティル」への憧憬を自分のデザイン、その美しさに、
空海の書、その運筆、美しさの体現とともに、
いくつかの造形デザインにここからの美しさが必ずあると、
この手本にはあります。
その体験、Macを離れてchrome OSを試していますが、
なんともデザイナーで良かったと思うのです。
空海の運筆は本当に美しいのです。

* 『パソコンがもう変わり始めているから・・・』
* 『まだ新たなOSのパソコン=HP Chrome11』
* 『もし、このデザイナーから学ぶことが無いなら・・・』
* 『藤原行成の書体との出会いは先生からの指示だった』
* 『墨汁が護っていてくれた文字=言葉の伝統文化』


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