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Posts Tagged ‘点字ブロック’


『見慣れている「場」のデザインは感情を撹乱している』


   


     7月 31st, 2017  Posted 1:22 AM

私の視線は車椅子上からは常に40年間一定です。
そしていつも気持ちがおかしくなるほど、
「変なデザイン」だと思ってきたのは
駅のプラットホームのこの不自然さなのです。
多分、これほどこの不自然さすなわち美しさなど皆無の「場」に、
大きな疑問を言い出すのは私ぐらいでしょう。
しかもそれなりに「鉄ちゃん」の一人なのです。
それは鉄道大好き人間なのです。
なのにこの不自然さを今主張しなければなりません。
日本が誇る新幹線の鉄道と点字ブロックが際立っている対比に、
美しさが大欠落していることに人間全てが目覚めてほしいいのです。
確かに、鉄道に誘導されている新幹線のデザインは、
車体デザインだけでは現在の駅・プラットフォームの「場」が、
破壊されていることに、感性を封鎖していることに気づくべきです。
それは風鈴の音がうるさいとか、
除夜の鐘は辞めるべきだとかラジオ体操の音、
子ども達の歓声が耐えがたい、
こうしたクレーム感情に連鎖したのだと思っています。
それならどうしてこの「場」の不自然さ、美の欠落にこそ、この感情、
すなわち、心の中に流れるドロドロの感覚を、清々しい感覚にすべきです。
プラットホームから、駅空間と列車のデザインは大変革をすべきなのです。

* 「メランコリー=悲哀・憂鬱の全否定が慈愛デザイン」
* 『もっと豊かな鉄道システムの統括デザインが急務』
* 『Zゲージで再確認するトランスポテーションの美しさ』
* 『いつも、なぜなんだって思う点字ブロックのこと』
* 「 視覚空間は存在しないことを認識する必要がある」


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『バリアフリー・身障者対応は老人医療に連鎖』


   


     7月 23rd, 2017  Posted 12:00 AM

車椅子生活になった40年前、そして30年前も
私は銀座で、あるいは空港でもほとんど車椅子に乗った人とは
出会ったことがありません。
ところが最近では、一日に3〜10名には出会います。
すでに私は電動車椅子に乗っています。
絶対に電動は使わないと言っていたことがあります。
しかし、もはや体型にも変化があり、
電動なら日本では時速6kmですから、相当に早いのです。
しかし右上のように段差3cm程度の傾斜があれば無理です。
一応、段差無しという右下のユニット程度も無理です。
まして左では完全に行動は不可能です。
日本はいわゆるバリアフリーがサンクションにはなっていますが、
点字ブロックも駐車場でも車椅子OKはルールありといえども無理一杯です。
それこそ高級レストランでは、階段があっても若い男が手を貸しますとか、
私は拒むことにしています。
それならスタッフが手慣れた移動可能。
万一、落下したらどうなる?なんです。
電動では周囲が手助けしても、現在は絶対に無理です。
手動なら車椅子をまず高さを確保、
そして使用者を二名〜四名が抱き上げるという方法です。
2020年パラリンピックで、車椅子選手や身障者対応へは
相当の、あの「身障者おもてなし」?
嘘でしょ!というのが、現在の私の心情です。
大阪大学はパラリンピック支援大学になっています。
だから伝わる人には「言いたいこと」一杯あります。
身障者対応はまさに「老人医療」と結びついているのです。
75歳になれば、必ず車椅子使用者は70%なのです。

* 『通称・点字ブロックのデザイン間違い!』
* 「デザインは皆無だ!・・・誤りのデザイン」
* 「石畳の街、その文明と文化」
* 「ブリューゲルが描いた盲目の人たち」
* 『電動車イスの効能的制度設計からの性能・機能デザイン』


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『床面の視覚的表示はそろそろ技術進化すべきだ』


   


     11月 8th, 2014  Posted 12:00 AM

私は常に車イス移動をしているために、
舗道や室内の床面は常に見てきています。
それだけに、今では当たり前になってしまった点字ブロックは、
目の不自由な人たちにとっては不可欠ですが、
一方では、私もそうなのですが、凸凹の振動が体調や、
さらには危険さもあります。
それだけに、私たちは議論をし合い、もっと最適なデザイン解決が
最も重大なことだと、このFBでも書いてきましたが、
この記事でのフォロー者が多いことにはびっくりします。
さて、これはあるデパートの床面にある方向指示の表示です。
確かに、親切で丁寧な表示だと思いますが、
これは視覚的な健全者だけのものにすぎませんし表示内容も
それなら、もっと表示が欲しいと思わせるモノです。
今、私自身はウェアラブルPCの表示画面、情報タグなどを提示すべく、
「表示」のあり方を根本で再考しています。
とりわけ、表示はピクトグラム=絵文字で一見すれば分かること、
これは端的には、I see(=分かった)という世界観ですが、
視覚的な伝達はすでに限定されてきたことからも解放される時代です。
つまり、視覚的だけではなく、聴覚的や触覚的な表示伝達こそ、
これからの表示技術にならなければなりません。
すでに私自身は、対人関係であっても、個人的な情報タグが不可欠、
それは生まれるとすぐに人体に情報化タグが埋め込められるべきと
考えている次第です。
それは、公的な場所全てから、表示情報は視覚的だけではない、
聴覚・触覚的な表示情報の開発が当然になってきていると考えます。
こうした発言は、あの国民総背番号制 を全面容認していると
猛反対を言われそうですが、私は自分存在=アイデンティティは
絶対に必要だと考えています。
まず、自分が正直で社会的な不正をしない限り、
プライバシーの公明正大な表示。
その情報化タグデザインは必要です。

「プライバシーという人権の荒唐無稽さ」
「人権と情報のアポリア」


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『いつも、なぜなんだって思う点字ブロックのこと』


   


     11月 5th, 2014  Posted 12:00 AM

かつて点字ブロックについては、徹底的に調べてその効用を
私はどうしても変更すべきではと思っていました。
なにしろ、私の視点は1m20cm程度からですから、
地表、地面、歩道、舗道にある障害物は目についてなりません。
なんといっても、点字ブロックが役立つことは、
極めて少数の人たちですが、それだけに重要なモノだと思います。
そして、この点字ブロックを提唱して生涯をこの制度づくりは
様々な社会的な抵抗の中で、今では全国に普及しています。
しかし、制度の甘さ、行政の「やればそれでいい」という観点、
これが一般化したときには、見事に真の文化性どころか、
この制度を提唱した人の真の狙いは、点字ブロックそのものまでを
とても汚れさせてしまっていると指摘し直さなければなりません。
これは駅構内にともかく点字ブロックをという投げやりさです。
床面にはあらかじめ床仕上げ素材が敷かれているのですから、
何も別個の点字ブロックを引き詰める必要性など全く無いのです。
そこで、改めて街中の舗道を見つめ直して下さい。
この点字ブロックを埋め込むために、手抜き工事が氾濫しています。
ただむやみやたらに、本当に必要な少数派のためゆえに必要な、
現代技術だから可能になる素材開発は皆無だと言っていいでしょう。
もはや、点字ブロックでは無い、新たな技術と誘導制度の一新こそ、
21世紀の智恵で生み出す必要があると思っています。
ともかく、私の視点は舗道面をいつも見ていますから、
その意味ではわが国の舗道は綺麗な方だと思います。
ただむやみやたらに点字ブロックが貼ってあるだけの行政、
その街を列挙する必要があるのかもしれません。
すべてを最近はすぐに撮影ができますから、撮りまくっています。
絶対に、これは許せないと思う街・行政を指摘するつもりです。
理由? 簡単です。
道とは闘いで死んでしまった人たちが朽ち果てていたのです。
それだけに道は美しくあるべきだと思っています。

『通称・点字ブロックのデザイン間違い!』


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『通称・点字ブロックのデザイン間違い!』


   


     1月 23rd, 2014  Posted 12:00 AM

今や国内の公共的な場では至る所が「点字ブロック」です。
これはとても国内がバリアフリーになってきているという証拠。
しかし、「点字ブロック」とは通称であり、
正式には「視覚障害者誘導用ブロック」と決められていますが、
「矛盾する問題」を多く抱えています。
いわゆる視覚障がいの人たちにとっては重要な誘導ガイドですが、
一方では私など車椅子使用者にとってはバリアです。
あのブロックの上を車椅子の私はきびしい振動を受け辛いのです。
視覚障がいの方にとって危険な所は駅のホームがまずあります。
視覚障がいも後天的、たとえば糖尿病疾病で突然の方には、
白杖でのガイドには無理がありますからこのブロックは有効です。
しかし最近は高齢者の方がこのブロックで躓いて骨折が急増加。
したがって、建築空間では「黄色」に不満がありましたが、
弱視の方には黄色が有効なことは証明されています。
そこで問題は、このブロックは地上5mm高になっていますが、
この写真なども5mm高を越えていることです。
視覚障がい者の連盟が懸命に国に訴えて実現してきたこともあり、
その歴史的な功績を破棄することも憚れる問題です。
もはや「点字ブロック」をストリートファニチュアとすれば、
新たなアイディアでの最適デザインが必要なわけです。
私はこのブロックがコンクリート製ゆえを言い訳とする行政は、
許せるわけがありません。
誰かがこの「矛盾」解決を主張すべきです。
高齢者・車椅子使用者・先天的な視覚障がい者それぞれ、
とりわけ、後天的な視覚障がい者向けの誘導ガイドこそ、
「デザインで解決」するべき問題だと言っておきます。
デザイン系・建築系の学生コンペ課題として「点字ブロック」、
このあり方とデザイン設計が求められると考えています。


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