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「いつも見かける私の作品はすでにアノニマス」


   


     9月 16th, 2012  Posted 12:00 AM

私は国内はほとんどANAを利用しています。
幸いなことにANAのカウンターでは、
かつての私の作品・モニターが使われています。
EIZOでのモニターは、病院でも、阪大病院も、
名古屋市立病院でも使われています。
私の作品ですがこれらはすでにアノニマスデザインとなって
社会に溶け込んでいます。
メガネフレームなどは、ブランド名になっていますが、
こうしたアノニマス性を獲得していくデザインが、
インダストリアルデザイン職能の社会的な大きな役割です。
現在、いわゆる工業デザインは
日本では特に低迷状況であることは否めません。
確かに、このモニターをデザインした頃は、
国内はもちろん海外への貿易においても、
日本製・made in Japanは力を持っていました。
次々と製品企画・開発計画を提示し、
製品開発から商品化の連続性は多忙でもあり、活気も十二分でした。
しかし、現代日本の特に、家電や情報系のプロダクトデザインは
韓国や中国の追撃を受けています。
そのためか、大企業ブランドの終焉が始まっています。
3、4年前から、デザイン部門が、
現在の危機予測をしていた企業もあります。
そして事態はもっと深刻になっているようです。
3.11はその決定的な打撃を与えました。
戦後、高度経済成長とともに、
日本の工業デザインは世界を圧倒してきました。
今、わが国の大問題は三つあります。
1・自然災害大震災への対策問題
2・領土問題
3・拉致問題
この三つに取り囲まれながら、
経済性においては貿易製品の充実化を果たしていかなければなりません。
やがて、
空港カウンターや病院から、私の作品が消える日が近づいています。
工業デザインの「アノニマス性」が世界No1であり続けることこそ、
日本が生きのびていくことです。
やがて、私もリタイアしていきます。
次世代に語り残したいことを緊急に進行展開しなければなりません。

*写真左:ワイフが搭乗手続きをしています。


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