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『2015年新学期から・コンシリエンスデザイン看医工学!』


   


     4月 1st, 2015  Posted 12:33 AM

大学人になって20年になります。
名古屋市立大学芸術工学部新設時から、私は大学人になりました。
芸術工学研究科博士前期後期課程の完成まで10年をもって、
私は大阪大学大学院の工学研究科に移籍しました。
公立大学から国立大学に変わって、7年で丁度退官になりました。
それから、「危機管理工学プロダクトデザイン寄附講座」で、
液状防止対策や危機管理工学に2年取り組みましたが、
結論は、「危機は管理できない」そのような学域は存在しない、
この結論から「危機解決学」の構築、そのためには、
デザインで文科系と理科系を、さらには、学術と芸術を「学際化」。
この提案をすることに至り、「コンシリエンスデザイン」という
新しい概念の実務を「危機解決学」の構築に向けることにしました。
そして、それを果たすには今度は医学系研究科に転籍して、
「看医工学」=看護学・保健学・医学・工学などの
融合・結合・統合を今学期から博士前期課程への教育と研究、
さらに産学共同プロジェクトで、
コンシリエンスデザイン実務をスタートさせることになりました。
看護理工学会や眼科手術学会やメディカルJAPAN2015で、
すでに、論文や講演をしてきました。
産学共同プロジェクトの対象企業も次第に増えてきました。
その舞台は、大阪大学の吹田キャンパスU4棟が私のスタジオです。
U4棟を私はUFO棟と自称している、おそらくキャンパスでは唯一、
平屋棟であり、阪大に来てから10年目がここからスタートです。
「前例が無い」と言われましたが、なるほど、文理融合だとか、
複合領域とかで「学際化」は叫ばれていますが、実情は皆無でした。
前例が無いから、デザインでその発想転換と変革をやります。
「コンシリエンスデザイン」では、すでに招聘教授もまず、
2名を決定しました。これから、招聘研究員や特別研究員を
充実させていくと同時に、国内外の大学と連携をするつもりです。


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『Consilience Design Phenomenaの形態・制度設計の効用』


   


     3月 22nd, 2015  Posted 12:45 AM

私がデザイナーとして、大学人として辿り付いているのは、
形態設計と制度設計による安全と安心の未来社会の創出です。
しかし、その前に、日本人には天災人災での福島復興が前提です。
この前提には、自然と人間、地球と人類の問題があります。
その問題解決には、私が主張している「ち」という
日本語が理念構造に配置した「血液から、知性、土地など」全てへの
デザイン記号論があると認識しておかなければなりません。
デザイナーはForm=かたち=形態設計を成し遂げ、
そのFormに突き動かされた感性と感情=きもち=Emotionが、
社会と時代のFrom=社会形式の制度でEmotionを制御するのです。
結果はデザイン効用としての命=いのち=Lifeを繋いでいくのです。
そのためのデザインは、学術でのデザイン工学や、
芸術でのデザイン技能に押し込められてきたことから解放が必要です。
私は学術の文科系+理科系に対して、さらに芸術から学術を
もう一度引き離すことを「コンシリエンスデザイン」と定義します。
これまで、大学での文理融合が複合学術領域では制限があり、
芸術を専門的な機関で呪縛していることからも解き放ちます。
かつて、大学は、宗教と医学と法律から出発しました。
その時には、医学はアート=芸術領域でした。
わが国の科学研究の系統・分野・分科の細目を見直しました。
やっとこの中には、これまでのデザインは美術から解放され、
デザイン学が複合領域にあります。
また、設計学は摩擦学→トライポロジーから派生したままです。
当然ながら、医学の細目からは人間学は保健学に含まれています。
私は、もう一度この系統・分野・分科からの統合学として、
明確な看医工学を配置し直しました。
コンシリエンスデザイン看医工学が、危機解放学の基盤であり、
結局は、「かたち」・「きもち」・「いのち」を
デザイン記号学として、造形言語と形態言語に具体的に整理します。

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