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『画面プレゼンテーションを再考せよ』


   


     11月 5th, 2013  Posted 12:00 AM

「パワポ」という言葉が一般化していますが、
このソフトでのプレゼンテーションでは「発想」は起こりません。
それは、PowerPoint1.0=白黒からPowerPoint2.0=カラーを
日本で最初に使ってきた一人として断定することができます。
私自身はKeynoteになって以来本来はLightShowからの系譜こそ、
思考し、レイアウトし、プレゼンでの視聴者への訴求は、
Keynote以外は無理だと結論づけています。
実際PowerPointでの講義は眠くなってしまう傾向が起きています。
そして、私が拘ってきたのは、常に画角を4:3ではなく、
16:9でのプレゼンをいつでも要請してきました。
しかし、これはほとんど無理ですが、舞台上のスクリーンなら、
可能で有り、しかも私はメイン画面とサブ画面を使い、
さらに、正面のバックにはPinP=Picture in PictureでVideoで
背景を流したその上に画面を二つ入れます。
この構成にすると、プレゼンテーションの背景・メイン・サブを
立体的に構成しなければなりません。
したがって、この構成にしていくには、発想・表現・伝達には、
相当に熟考を余儀なくされます。
この熟考こそ、発想から表現の立体的な思考で、
特に、複数画面の構成を構造化していくことになります。
私は、音楽も入れますし、動画を使います。
かつて、「先生は講義に音楽を使われるそうで・・・」と、
この嫌味平然の教授のパワポなど見るに堪えない汚さでした。
ただ最近は、説明していくことも面倒ゆえに、
会場の設備に応じた画面構成をしています。
正面に背景・メイン・サブ、
そして会場左右に3画面ずつ
となればプロジェクターは9台です。
私は、これを構成してこそ本来のプレゼンテーションが出来る!、
発想から表現の多重化による伝達は、熟考するには、
脳内での構成構造能力には、これだけの思考回路が必要です。


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「TV番組の役割は終わっていることを再確認!」


   


     5月 15th, 2013  Posted 12:00 AM

NHKのドキュメンタリー番組を見詰めていて、
私はもはや、こうした類の番組意図、その不明瞭さと、
現代日本を見る眼差しに愕然としました。
ひょっとすれば、視聴者の方々は「流石に日本なら」と、
思われた人々も多かったかもしれません。
わが国の産業経済の根幹である「モノづくり」現場は、
「メイド・イン・ジャパン」を目指して、
これほど「逆襲のシナリオ」があったんだと思ったことでしょう。
しかし、私は40余年、現役のデザイナーとしても、
さらに大学人としても、わが国の産業界・企業界・行政界に
しっかりと根ざして活動をしてきた立場では呆れ果てました。
大企業の組織変更が行われて、中小企業のようにとか、
やはり、歴史に残りそうも無い経営陣を見る悲しみがありました。
しかも、NHKには、未だに企業活動の分類の単純さが温存し、
それを国外に向けての新しいメリットづくりという断定には、
NHK取材者たちの知識不足を再確認しました。
結局、まとめには3Dプリンターが登場しました。
ラピッドプロトタイプが日本発明であって、
それがどうして国際競争からはじき出されても、
それでもまだどう成果を目指しているのかは見過ごされています。
私なりには、四つの視座と視界が消滅していました。
まず、
 「日本の創造性=デザインが語られていなかったこと」。
 「企業運営・管理・維持のリーダー力の欠如」。
 「未来のモノづくりが何を人類に与えてくれるのだろうか」。
 「ビジネスモデルがすでに時代遅れ発想になっていること」。
この少なくとも四つは語ってほしいとつくづく思いました。
プロとして、さらにラピッドプロトタイピング=光造形はじめ、
3Dプリンターの虚実を見極める、
私なりの経験視野と想像視界に映っていることは皆無でした。
さらに、わが国の、教育制度、少子化どころか、
天災=東日本大震災と
人災=原発事故、
この二つを抱え込んだ国家の真実が、企業活動に期待する本質等、
こうしたことはまったく見えませんでした。
だから、勘違いしないでほしいのです。
もはやマスコミ・TV番組が示唆する時代を引きずっていることが、
最大の国家問題だということです。
「メイド・イン・ジャパン」は「逆襲」するシナリオでしょうか。
私ならば、もし「逆襲」というよりも、
わが国だから、日本人だから、という「想像から創造」を、
その原動力、その環境、その企業性を語ると考えます。


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