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『ペリカン社の万年筆とそのインクについて取材から』


   


     10月 18th, 2017  Posted 12:00 AM

昨日はもう20年前にあるデザイン誌、
今もありますが、現在の編集長は彼女の存在、
その実質性や貢献性を知らないのではと私は想像しています。
その編集長だった人が、現在の大手出版社で私を紹介。
私は万年筆、それもドイツのペリカン社記事での取材を受けました。
以前、このブログでドイツにあるモンブランとペリカンを紹介しましたが、
改めてペリカン社の万年筆をこれを機にクリーニング。
それは2日がかりで先ずは水洗いして
万年筆タンクとペン先を調整することができました。
これは私が収集している万年筆がワイフに全て分かってしまうこと、
案の上、「なぜ、こんなに!呆れる」、仕方ありません。
ともかく、ドイツでは代表的な万年筆メーカーですが、
モンブランとの書き味を確認していくうちに、
こんなにも収集してしまった結果です。
取材では、通常は使うかもしれないそんなシーン毎のペンと、
最高級ペンと私が認めているペンを見せました。
これもと思ったのは、万年筆で商品化されている黒・ブラック仕上げ。
これらは気がついたらペンケースは、
ほとんどがペリカン社だったのです。
私が知っていることでは、作家の人は万年筆は結局、
ペリカンに戻るほど、ペン先の柔らかさは日本人には合っているようです。
そして、先般は終活と思ってインクを相当に廃棄しましたが、
ペリカンのインクは7瓶もありました。
それは万年筆インクの色彩は、すべからく私が最も気にいっていたから、
全く廃棄しなかったのだとこの取材で気がつきました。
それこそ、たとえば、青系=ブルー色は古代から難しかったのです。
青色は、海と山と空の色で色彩が区別出来るのです。
ウルトラマリンは海の色、スカイブルーは空の色です。
それこそ山・鉱物の色であるラピスラブリは素敵な色で、
江戸時代に加賀藩がもてなしの色にしたほどの色です。
だから青色LED がどれほど優れていたかを再確認できるのです。
正直、私は万年筆はほとんど黒色に拘っていて、これは万年筆インクを
決定的に確かめるには最適だとある理由するあるのです。
それでも、色彩的に気に入っているのはペリカンでした。
そして残念ながら、国内に万年筆メーカーはとても優れていますが、
海外メーカーほどの商品価値がありません。
そしてスマイソン社に特注したノートには、好きな詩を書いています。

* 『万年筆のミュージックタイプとインクで筆跡品格が可能』
* 『イコン=アイコンが明解なモンブランとペリカン』
* 『ペンホルダーある組み合わせの筆記具は自分表現』
* 『最高級品=最高価格であるべき万年筆の登場の意義』
* 『インク、インク瓶を初めて整理しました』


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『万年筆で顔料インクがありえるのだ』


   


     6月 23rd, 2015  Posted 12:00 AM

色の材料は二つの種類があります。
染料と顔料です。大雑把に言えば、
植物系(染料)と鉱物系(顔料)と言ってもいいでしょう。
美大卒ですからそれなりに染料と顔料には親しんできました。
何と言っても墨とラピスラズリに最も親しんできました。
それは顔料の世界であり、ともかくしっかりと墨の黒さであり、
ラピスラズリは金沢の青紺色と言っていいでしょう。
顔料の色はいわゆる泥絵の具の世界ですが、
10年前に「極黒」というインク、
そして青紺色のインクが出た時には驚きました。
理由は、今では染料のほとんどが化学的なモノであり、
インクを万年筆で使うとなれば,
顔料インクなどは考えられなかったのです。
ところが、日本の染料・顔料技術は本当に優れていて、
なんとカラフルな顔料インクが商品になってしまいました。
これは世界的にもトップクラスの技術成果であり、
最近は万年筆ブームにもなってきましたから、
この顔料インクになんとしても興味を持ってほしいと思っています。
私は日本の文房具は、
海外ブランドのデザイン戦略不足からも
低価格過ぎると断言し続けています。
この顔料インクなど、もっと高くていいと思います。
海外メーカーをはるかに上回った技術表現を成し遂げているのです。
私はインクについても、カラフルさを確認したいタイプであり、
万年筆にこそ、
この顔料インクが墨色からとうとうここまで進化したことを
私たちはもっともっと大きな評価を与えるべきだと思っています。
この顔料インクは自らの主張を
あたかも万年筆を主役たらしめないかのごとく存在しています。
これこそ、日本文具大賞・デザイン部門賞を
静かに進化を積み上げて商品化されているのです。


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