kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘1949’


『腕時計というモノの機能性、その反射・代謝・照射ゆえ』


   


     4月 13th, 2015  Posted 12:00 AM

この時計は私の宝物であり、探し求めてやっと手にいれたモノ。
腕時計の最も肝心なことは、この時計は私の生命と一致していること。
つまり、私の生命が母の胎内に初めて存在し、発売時期までが、
しっかりとメーカーに記録が残っていることです。
パティックフィリップ社の有名機種「カラトラバ」1948から1949モノ。
いわゆるアンティーク品ですから、ベルトは使用を考えたこれも、
専門メーカーゆえ、リザード皮革の手仕上げにこだわっています。
まだ、戦後ゆえ、今ではありえないステンレス製にも関わらず、
極めて高額な腕時計です。このことはある人から教わりました。
今では、腕時計がデジタル仕様に大きく変換して、
いわゆる機能拡大になっていますが、機能性の真の意味知性を
失っていると言わざるをえません。機能性は、三つの分類があります。
まず、自然の模倣学習の反射、物理的な科学技術の代謝、
これが現代の機能性ですが、機能性は心的かつ神的照射があります。
それだけに、腕時計の真の機能性は、アンティーク要因を
必ず含んでいない限り、そのモノの性能と効能は宿りません。
腕時計は身体に密着させるには、生命との関係性が重大です。
ようやく、最近の有名ブランドもその記録性を考慮していますが、
私は10年近く探し求めていたようです。
私がこの世に生命を受けた当時は工業製品の素材は貧困でしたが、
そのためか、この当時に現代のスタイルが決定していたようです。
人間にとってモノの存在は、性能と効能を支える
機能性の反射、代謝、照射が、デザイン知性の要だということが、
デザイナーとしての私の職能経験からの知的美学性の結論です。
腕時計・万年筆・カメラ・オーディオ・自動車・自転車などは、
男なら知的美学性が最も求められている分野だと私は確信しています。


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『ビートルズに出会った世代の幸運さ』


   


     11月 27th, 2014  Posted 12:00 AM

敗戦後に私は生まれています。
1947・1948・1949年代生まれは「団塊の世代」、競争社会でした。
私にとってはこの呼称はまともな名辞だとは思っていませんが、
私自身が1949年のこの世代であることをひきずっています。
経済成長・大学闘争・石油ショック・バブル・バブル崩壊と
時代的な経済変動をまともに受け、その成就に晒されてきました。
そのなかで、この世代ほとんどが大きな影響を受けているのは、
ビートルズの音楽であったこと、それは周知のことですが、
私はオーディオからデザイン世界の社会人になりましたから、
もう一つカセットテープがビートルズ音楽に与えたことがあります。
したがって、この作品も私の代表作であり、
今は金沢21世紀現代美術館のパーマネントコレクションですが、
これはビートルズのオマージュと私自身の思いをこめています。
赤盤・青盤・白盤、そのままに、ビートルズの代表曲を
オルゴールも、すべて著作権のもとで発注した曲を仕掛けました。
「商品化」は何度か試みましたが、生産性の問題がクリアできず、
すっかりと今ではある意味ではアート性のデザイン作品です。
これが私の代表作ということを言いたいわけではなくて、
ビートルズの音楽性以上に彼らの音楽や活動に及ばず、
存在性に人生での生き方のきっかけを与えられたこと、その意味性、
これらを持ち得た世代の幸運さについては書き残す意義があります。
私自身、書道も絵画も道具を要しましたが、
音楽はずる賢く考えて教科書だけゆえに高校ではコレを学びました。
にもかかわらず、美大に進学し、書は厳しいトレーニングを受け、
ビートルズしか知らなかった私が
クラシックも図譜で指導されて、社会人になれたようです。
が、今なお、私にはビートルズという存在が生涯を支えてます。
つまり、今、このようなショッキングな時代状況が無いことを
私は次世代にとっては、大きな損失のような気がしてなりません。
ビートルズのような存在がないこれまでを疎ましく思っています。

「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」
「『鏡』の存在を知り尽くすこと」
「この画家をもっと知らせたい」


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「BOPは世界構造の隠喩的病いとなっている」


   


     5月 8th, 2011  Posted 12:00 AM

1949年生まれの私。
当時の世界人口は25億人。
おそらく私は2049年を見ないでしょう。
ここ数年、私自身が世界人口を
追いかけつつ、その増大の速さは不安でした。
年内に70億人、2030年には100億人を突破しているようです。
反してわが国の少子化での人口激減は、
世界構図、世界構造を根本から変えてしまうことは明らかです。
この人口爆発で予想される世界的な問題、
その代表的な問題には、食料・水・エネルギーの構図が見えます。
BOP=Bottom of the Pyramidという人口図式。
三角形に、所得構造分けされた図解です。
私は授業・講演会などで世界構図のビジュアル表現として、
最も多用してきた図解です。
しかし、この図解である図式は、世界隠喩であることも明白です。
それは、人口分類が「所得階層」になっていることです。
スーザン・ソンタグの名著に「隠喩としての病い」があります。
この著作をベースにして、世界構図の隠喩となるのは、
人口爆発である「BOP図式」と「エネルギー」がテーマ可能です。
そして、この現実には世界構造が隠喩的な図解化ができます。
人類の大きな問題が隠喩となって私たちに覆い被さっています。
つまり、人口とエネルギーに現代世界の大問題があります。
現代世界の一つは強欲な人間欲望と、
もう一つは、さらに貪欲な人間社会の階層的な支配構造、
すなわち、国際政治の表象が支配力学になっています。
ところが、本来であれば知性的かつ知識階級である人も、
支配力学の経済的暴力構造の隠喩性からは解放されていません。
しかも厄介なことは、
この隠喩性は「情報」あるいは「情報化操作」によって、
世界構造が閉じ込められているということに他なりません。
この支配構造の中で、人々は対立し共謀し幻想に陥っています。
けれども、人間の誠実さ、「かけがえの無さ」を確信する人には、
決してアポリアにはしない生への希望があるということです。
人口とエネルギーは、まさしく世界概念の隠喩という病なのです。
この病に、デザインは必ずや企望になるはずです。

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