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『アナログプレーヤーは45回転がふさわしい』


   


     10月 18th, 2016  Posted 12:00 AM

PCM録音が見えだしてきた頃に自分は交通被災、
よって東芝・Aurexのデザインチームを去りました。
東芝時代、社会人デザイナーとしてはオーディオに懸命の毎日。
最初の大失敗がレコードプレーヤーの銘板デザインでした。
それは33回転と45回転を、33と44と銘板版下を仕上げて、
それが実際に工場に流れてしまい、女性の工員の一人が、
「班長さん、33回転と44回転になったんですね」という会話から始まり、
最終版下には自分のサインが入っていたことでした。
まぁ、ビックリするほど大目玉を食らって叱られました。
「ボーナスでなんとか?・・・」
「お前のボーナスでなんとかなるわけがない、 !!!」でした。
しかし、これが大きなヒントになったのです。
LPと言えば33回転を、「厚版」で「45回転LP」を発想して現実に、
DAM(第一家庭電器のオーディオクラブメンバー)向けレコードでは、
この45回転LPを実現することになりました。
結果、カラヤンは音の良さに怒ってくるとか、アリスの「冬の稲妻」は、
余りの音の良さに怒ってくるなどでしたが、
LPで45回転こそ、その当時のHi-Fiだったのです。
レコードプレーヤーのデザイン設計では、その部品様々のデザインを
新素材とともに随分とやりつくしました。まだ、新素材があります。
今、若者にLPレコード盤が再興してきたというのです。
デジタル音源からアナログ音源への「新しい興味」をかきたてているのです。
自分自身も、オーレックスチームでの最後が、
「真空管でのプリアンプ」そのラフレンダを描き出していて、
当時の部長(=有名な電気釜のデザイン)に大目玉をくらっていました。
デジタルから必ず人は離れると思っていました。
現実、自宅にはBeogram9000が自分のシステムです。
本当はあと2台は並べたいところですが・・・。(怒られるだろうナー)

* 『世界でトップだったアナログ45回転レコード盤の復活』
* 「企画は必ず具現化すること」
* 『アナログプレーヤーをAurexSY-λ88で試用』
* 『LPレコードのアーカイブが出来上がりつつある』
* 『「トリタン」というフィラメントの明かりを今も求めている』


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『LPレコードのアーカイブが出来上がりつつある』


   


     3月 30th, 2016  Posted 12:00 AM

僕はオーディオのデザイナーから出発という幸運があります。
東芝では当時オーディオ専門ブランドAurexに関わり、
Aurexブランドロゴから製品開発・商品化だけではなくて
ショールームからコンサート企画、
そしてLPレコードづくりまで担当しました。
単純に担当というより、
自分で企画書を書き上げて上司を説得していました。
そんな中でも、
LPレコード企画などが東芝では通らないことはしばしば。
そんな時にはその企画を
DAM(当時最大の量販店のオーディオクラブ)に、
僕は持ち込むと同時に、 DAMから信頼も受けていたので、
TV-CFやDAM販売キャンペーンのディレクターもしていました。
無論、東芝の上司にはほぼ公認をしてもらっていました。
DAMといえば、特別高度な音質のLPレコードを出版していました。
これは当時、東芝EMIの力添えがありました。
東芝EMIで担当であった方が亡くなり、その遺言から、
DAM レコードを後世に残す話が持ち上がり、
東芝の社員であり、また45回転で超厚のレコード盤制作に
まさにはまっていたことからも、協力者の一人として参加。
DAMのLPレコードは、音質の優秀さで、有名な指揮者事務所や
有名歌手グループ事務所からなどクレームが出るほどでした。
私が直接関わったレコード盤は、
「トラックダウン=レコード製作プロセス」を知らせることで
それはオーディオ機器、カートリッジやプレーヤーシステムまでの
音質チェックになるレコード盤があり、レコードジャケットデザイナー名を
入れてもらうことで、東芝に納得をつけてもらっていました。
これはバイノーラルレコード出版につながりました。
東芝ではOKがもらえなかったのですが、
DAMでのヒットゆえに、
結局は東芝のプレミアム広報として実現しました。
かつて、オーディオでの最も正確な音質レコード盤の
アーカイブが完成しました。
アナログレコード盤としては最高のモノづくりだったので、
今では徐々にファンが増えてきています。
私はひたすら音響関係のデザイナーであればそれでいいと思っていました。
だから、今でもその思いは残っています。
大学人をリタイアしたなら、
もう一度、オーディオ機器のデザインと設計に関わりたいと考えています。
すでに、ヘッドホンアンプの設計とデザインに取りかかっています。

*「企画は必ず具現化すること」
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=23523
*「ここまで粘り、あきらめないこと・・・」
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=23541
*『世界でトップだったアナログ45回転レコード盤の復活』
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=42369


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『天衣無縫な時代と社会に活気がある』


   


     1月 8th, 2016  Posted 12:00 AM

美大を卒業すると教授命令で東芝に就職しました。
教授は他企業は認めず、(今ならパワハラ?、教え子には命令出来ず)
もし他企業ならば卒業させないとまで言われました。
しかし、東芝から始まったサラリーマンデザイナーは最高の日々でした。
サラリーマンではない、ビジネスマンになるならと、
トレーニングを上司達に教えられてきました。
僕を使いこなしていただいた上司達はすべて恩師達です。
にも関わらず、
僕は出張をすれば、ついついその地に泊まり過ぎたり、
遅刻は余りにも多いのでとうとう自由出勤が認められました。
けれども「四番バッター」と言われて入社したので、
ヒット商品は必ず出していたと思っています。
幸いにして、オーディオ分野専門であり「Aurex」のロゴも僕のデザイン。
「Aurex」での僕のデザインは今もオークションで手に入ります。
ほとんど所有しているので金沢21美術館の個展で紹介できました。
現在、東芝は企業として深刻な事態にありますが、
その理由は、顧問をしていたこともありほとんど解っています。
私のようだった東芝マンが当時は存在していたのです。
おそらくこのようなことは決して許されない時代になっているのでしょう。
入社して銀座で飲んでも、社員証でツケが効いた時代でした。
何と言っても僕のビジネスマン的やり方も
なんとなく認められた時代でした。
僕のひらめきは企業ルールをこっそりと変えてしまいましたが、
まあまあ叱られても決着してもらっていました。
電車で通勤すると、時には「電車事故」といってダイヤが変わります。
そうなると、タイムカードに「電故(電車事故)」というハンコを押します。
これをヒントに僕は「バ故(バス事故)」というハンコをモデル費で作成し、
自分だけのタイムカードに押していました。
多分半年目に労働組合にバレてしまい、大説教を受けました。
無論、デザイン部長(電器釜デザイン)にも叱られましたが
発想は認められた、そんな時代でした。
東芝は交通被災で辞職を余儀なくされましたが、つい4、5年前に、
オーディオ事業部OB・OGの「音友会」で挨拶をさせてもらいました。
東芝にはすでに教え子がデザイン部で活躍していますが、
かつて僕が天衣無縫なビジネスマン時代はすっかりと失われました。
入社した翌年「オイルショック」、退社して「バブル景気とその破綻」、
「失われた20年」という日本経済の転落とともに在った時代に、
僕の生涯が乗ってきましたが、
「バ故」というハンコが認められた大らかな日本の時代こそ、
日本が元気いっぱいの歴史を創り上げていたのだと思います。
「天衣無縫」な時代を失うことは、
時代と社会が歪むのだと思わざるをえません。


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『アナログプレーヤーをAurexSY-λ88で試用』


   


     10月 15th, 2015  Posted 12:00 AM

「Beogram9000」を持ち出してきてしまいました。
LPレコードプレーヤーもそろそろ断捨離の時期です。が、
私のオーディオコレクションから、
とうとうLPレコード再生をなんとしても私のシステムへと組み込みました。
「Beogram9000」のMMCカートリッジはもはや手に入りません。
最も、e-Bayなどでは中古品はありますが、
まだ、私のB&Oのカートリッジは、手入れがされていて大丈夫です。
ところが、このシステムにはフォノイコライザーが必要です。
そこで、気づいたのはAurexSY-λ88をプリアンプにして、
このプリアンプで、ともかくAmpzilla2000に直結しました。
AurexSY-88も試しましたし、AurexSY-λ88は万一、
部品用にというコレクションもありますし修理所も見つけています。
果たして、このシステムで稼働するのかどうかです。
フォノイコライザーならば、若かりし頃にこっそりと開発していて、
上司から隠し事で開発をしているだろうと言われたAurexのSZ-1000は、
コンデンサーカートリッジ用ですが、
電源オフ状態で、スルー回路が使えます。
正直、記憶は大分と消えていますが、私にはAmpzilla以前の
Godzilla記憶が鮮明にあります。
当時は、国内にたった2台しか
東芝が出張で買い求めていたのがあるにも関わらず、
国内のオーディオ雑誌に載っていて
Aurexエンジニア達は、これで当時の評論家に優劣を明確にしました。
私への指令は、SZ-1000は必ずGodzilla直結というものでした。
つまり、フォノイコライザーをプリアンプとしたなら、
PowerAMPはこれしかありえないという判断でした。
その結果がSY-77の開発につながり、SY-88の企画書を書きました。
SY-88が生まれたときに私は交通被災で入院していました。
当時、東芝のAurexはここまで開発をしていて儲かるわけがない、
そんな声が出始めていましたが、
そこにさらにもっと進化しSY-λ88でした。
私にとって、パワーアンプはアンプジラしかないのです。
幸い、大阪でのシステムは、Ampzilla2000です。
JBL4343にこれを2台というのは無謀でしたが、
200Wで自宅の音像システムは十分です。
この音像空間の中央で、例えばボーカリストは歌ってくれるのです。
ともかく、Beogram9000をAurexSY-λ88でのMCは、
見事な歌唱力、音響力を確認しました。
LPレコードプレーヤーを
自宅のオーディオシステムに入れることは決めました。
さて、これからが問題になります。
LPレコード再生はアナログの世界ですが、
すでに私の他のシステムはデジタルです。
この解答を自宅システムに取り入れることにしています。
当然、音像を確認する椅子はリートフェルトのデザインです。


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『ゴジラというアンプ思想はアンプジラ2000に継承』


   


     9月 16th, 2015  Posted 12:00 AM

このところオーディオマニアで話題になっていることです。
GODZiLLAというパワーアンプの話です。
私が東芝で結局最後の仕事になってしまったSZ-1000という
エレクトレットコンデンサーカートリッジの
イコライザーアンプに直結した話にもどります。
理由は、私はオーディオの世界で社会人デザイナーになり、
おそらくありとあらゆるオーディオ機器は聴いたと断言できます。
正直、当時のアンプで,今も定評があるアンプは
私にはさほど大したことはありませんでした。
ある日、このイコライザーアンプはプリアンプなので、
パワーアンプを探していました。
そんな時、どこからか板金そのままで荒々しい、
とても商品とは言えないアンプが来ました。
一台は完全に分解されていましたが、
この時期にはトロイダルコイルの開発で国内メーカを、
探していました。電源部はトロイダルの話が蔓延していました。
それ以上に、荒々しいレタリングで素人が書き殴った
GODZiLLA:ゴジラは、日本の怪獣映画で、
パワー最大という印象がありました。
そのレタリングがシルク印刷されていてそれも焼き付けされていない程。
これはとても商品では無いと思いました。
当時この評価記事があったらしいのですがあり得ないと思っています。
なぜならこのアンプと鳴らすべきスピーカーシステムはJBLから独立して、
レッドツェペリンの後押しでできたメーカーで2名がAurex提携で来日。
私は磯子の音響工場で彼らと話して,彼らから来ないかと誘われました。
私はこのメーカーに企業留学を決めて交渉をしていました。
彼らから、このスピーカーシステムはJBLを超えるが、
それにはこのゴジラしかないと言われていました。
無論、このゴジラのアンプはアンプジラでした。
このスピーカーシステムを知っている人はまだ出会っていません。
しかし、ゴジラもアンプジラも製造物責任法が丁度できたのに、
使用者納得であり、製造物責任は今も放棄しないと使えません。
それは、このアンプで感電したり、
スピーカーシステムが破壊されたりしても「使う」ということです。
そして、ジェームズ・ボンジョルノの存在を知りました。
私は、SZ-1000は必ずこのアンプを繋いでならしていましたが、
表向きにはAurexのパワーアンプでした。
アンプジラ2000はようやく大阪に行ってから手にいれました。
しかし、そのためには整流器が当然必要であり、
電源コードもメディカルコードでなければなりませんし、
このアンプの下も本当は金素材ですが、
私はインド産の石材を使っています。
アンプジラ2000はジェームズ・ボンジョルノの最後の作品です。
彼はもう逝きました。
?


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『Beogram9000でアナログ感を鍛え直すべきか』


   


     9月 14th, 2015  Posted 12:00 AM

このところ自宅の倉庫を片付けてもらっています。
収集していたオーディオ機器、
それはAurexで自分がデザインし、
当時はとても買えなかった作品です。
ちょうど、作品だと思って収集したときに、
金沢21世紀美術館で、自分の個展ができましたから、
一室はAurex関連だけを展示することができました。
幸いにまだ使える機器もあり、部品用もあります。
そして、あとは使っていない機器です。
そうした中にはBeocenter9000とBeogram9000があります。
どうしてもBeogram9000は、カートリッジも含めて、
もう一度、LPレコード盤を自宅に持ち込もうと考えました。
収納時には徹底的に清掃してあったので、まだ使えます。
ただし、
LPレコード盤は3000枚ほどを整理して70枚程度しかありませんが、
すべてオーディオチェック盤としていたモノと、
DAMで45回転LPでの優れたシリーズ盤
「マニアを追い越せ大作戦」の一部だけです。
このシリーズは
今、マスターテープも残っていてようやくHPも立ち上がりました。
そんなこともあって、
Beogram9000を復活させようかと考えはじめました。
ところが問題は、これはDINでのOUTPUTゆえに、
プリアンプはLINNゆえのRCAに変換しなければなりません。
その前に,一度分解をして総合的なチェック後かと思いつつも、
あと2台ぐらいLPプレーヤーは必要ということになると、
それはどうしてもワイフには許してもらえそうもありません。
最近、このFBにはオーディオマニアだけのHPがあり、
そこでは、
LPレコード機器、SMEのアームや、カートリッジが登場しています。
ここではとてもマニアックな話が多くてワクワクします。
この会話に加わるには、
思い出さなければいけないことが沢山あります。
特にアンプとカートリッジは思い出さなければ、
会話についていけなせん。
先般は、ある試聴用曲では、
今も私が常に使っているだけにそれこそ紹介も交えて
書き込むことができました。
なんといっても、
デザインよりもオーディオの講義をしたいぐらいですから。
自分が社会人デザイナーになったのも
オーディオの世界からスタートしたのは、
なんとも幸運なことでした。
それがデザインの基本になっているがゆえに、
多分、オーディオビジュアルにおいても、アナログからデジタルでは、
やはり、デジタルという技術進化は
アナログ世界観が身体化していないことには、
絶対に無理だと断言できるのです。
そうなると、
やはり、Beogram9000は自宅に再度設定しなければなりません。


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『世界でトップだったアナログ45回転レコード盤の復活』


   


     6月 20th, 2015  Posted 12:00 AM

家電の量販店というのは長続きしない。
だから、量販店的な店舗は社会や時代を反映したとしても
私は大した存在では無いと思っています。
第一家庭電器という量販店が1970年代には攻勢を極めていました。
でも、私はこの量販店の中のオーディオ専門部隊は、
Aurexブランドを差別無く評価をいただいていました。
当時、オーディオがやりたくて東芝に入社しましたが、
「洗濯機をつくっている会社にオーディオができるか」と言われ、
若かった私はどれほど喧嘩をしてきたでしょうか。
ところが、
第一家庭電器にはDAMというオーディオマニアの会がありました。
そこではAurexをデザイナーながら売り込む私を
かわいがっていただき、
そこでは、大きな販売企画を東芝を口説いて、
CFまでやらせてもらえました。
またDAMには、決して販促品ではない45回転の周波数特性を
Hi-Fiにする特別盤を録音から製造をし、配布していました。
私自身、そこでは45回転シリーズにはデザイナーとして加わったり、
バイノーラルレコードも創らせてもらっていました。
そのレコードプレス直前のテープが残っていました。
そこで、DAMレコードというおそらくこれ以上のレコード盤は
世界でもトップクラス72枚が非販売ということで、
インターネット上に復活存在することになりました。
日本のアナログオーディオの極地が蘇ったと言っていいと思います。
東芝EMIでこのレコード盤制作は行われていましたが、
その要の方が逝去された遺言で、
DAMでのこのレコード企画を全統括のW氏から突然電話を受け、
ようやく、HPを7月1日から、公開するとの連絡がありました。
このレコードの録音・ミキシング・プレス全てが最高でした。
だから、私もLP3000枚程度を整理しても、約50枚程を残しました。
そのほとんどがこのレコード盤です。
45回転でとても分厚いレコード盤72枚には、
日本がアナログレコードでは最高の品質を実現していました。
デザイナーに成り立ての頃、
私はこのDAM でも徹底的に育てられてきたと感謝しています。


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『オープンイヤーホンの新しいあり方は再考すべし』


   


     6月 14th, 2015  Posted 12:00 AM

正直に言うと、オーディオとデザインを比べると、
私はオーディオの方が面白いと思っているくらいですし、
もし、教育としての講義をするなら、オーディオの講義をしたいほどです。
したがって、デザイナーでオーディオ担当とか言われると、
何と言っても、
オーディオからデザインを語るべきだと主張したくなります。
ともかく、私が美大に入学したときには、
オーディオ装置などは持っていなくて、
オープンリールにデッキとヘッドホンで、
それなりのHi-Fiを楽しんでいました。
美大卒で主任教授に言われるままというか、
当時は、教授指定の企業に就職。
行きたく無いと言えば「卒業はさせない」と言われる始末でしたが、
私が東芝でAurex担当になれたのは、
教授は私の未来まで見通しておられたのでしょう。
自分が大学人になって、
よく分かるのは本人以上に才能を見抜いていることです。
東芝で、空間音場と局部音場は、徹底的に仕込まれたと思っています。
医学博士で本来なら医師なのに、総研のオーディオ研究部隊を率いていた、
K氏には、クラシックでしかも楽譜で
特にピアノソナタで音響を叩き込まれました。
当時、ロックだビートルズだなどと言おうものなら、
怒鳴られたものでした。
「まず、ピアノ曲で音を覚えろ」と言われ続けましたが、
それは正解だったと思っています。
私の局部音場論は、電磁波空間と聴覚を
再検討させられたULTRASONEですっかり変わりました。
丁度、これからの季節は、
オープンエアーでBluetoothのイヤーホンをと、
私はワイフにも使わせたくて、選びぬいていました。
これはほとんど出張中、移動用で車中や機中で使うためのものです。
しかし局部音場、つまり、耳へのカナル型での聴覚と電磁波の関係は、
これからもっともっと研究を進めるべきことと思います。
私が局部音場に拘っていた当時は、
KOSSやSENNHEISERは一つの大きな手本でした。
ヘッドホンのデザインでは、モノの自重と側圧、
そして頭部や顔面装着性を学び直しました。
この経験が眼鏡フレームのデザインその基礎になっていると思っています。
デザイナーとして、
私は最初にオーディオを専門にデザイン設計出来たことは幸運でした。
なんと言っても、オーディオは私の自宅で、
最も考えた空間でなければならいというほど、
私には必須であり、現在のTV環境は7.1ch、
車を選ぶにあたっても、最高の音響システムであり、
今は、電磁波空間と聴覚の再考動機を与えてくれた、ULTRASONEと
このオープンイヤーであっても、音質を聴き比べてしまいます。
最近、ヘッドホンスタイルを見ますが、音質はもっと真剣に聴くためには、
できる限り、最高のヘッドホンを選んでもらいたいと思います。

「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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『なぜ、私がヘッドホンにこだわるのか』


   


     5月 26th, 2014  Posted 12:00 AM

私がAurexブランドに「エレクトレットコンデンサー」技術を
カートリッジ・ヘッドホン・マイクにする商品化提案書にして
25、6歳当時に、事業部内展開をする原案を書きました。
結局それがブランド内で最も事業成功した製品群になりました。
特にヘッドホン、それもエレクトレットコンデンサーを
ヘッドホン化するためには、軽量化と最薄化を目指しました。
まだその頃1975年頃は300gが平均重量でした。
新素材プラスチックにて150gは世界で最軽量HR-710でした。
その後、ヘッドホンアンプでエレクトレットコンデンサー駆動と
今はもう無いと思いますが、重箱ミシンといわれる製造法で、
ヘッドパッドを軽量な人工皮革で創りました。
アンプやプレーヤー、デッキなどは、個展直前2005年頃に、
オークションで、かなり収集をしておきました。
だから金沢21世紀美術館では展示することができましたが、
ヘッドホンはパッド素材の経年変化があって集めませんでした。
しかし、今はインターネットで検索することが出来ますが、
エレクトレットコンデンサー技術は東芝にもうありません。
これらのヘッドホンを持っておくべきでした。
したがって、作品集にも詳細は掲載していません。
ヘッドホンで頭部重量・頭側部側圧・顔面体感などを学びました。
この経験が、私のメガネフレームデザイン設計を支えています。
したがって、メガネフレームデザインがまともでないのは、
デザイナーにヘッドホン装着性の経験が無いからだと断定します。
つまり、ヘッドホンとメガネフレームは、
頭部・顔面への側圧が人間工学として最も重大だと思っています。
おそらく、メガネフレームをして、それからヘッドホンをすれば、
フレームデザインもヘッドホンデザインも確認検証が可能です。

『音場と音場と局部音場のためのワイヤレスヘッドホン』


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『音場と音場と局部音場のためのワイヤレスヘッドホン』


   


     5月 17th, 2014  Posted 12:00 AM

本当に正直、もう辞めようといつも思っています。
ワイフには、「いくつ耳があるわけ?」と上手い質問を受けます。
私はプロとしてAurex時代には、ヘッドホンデザインに
随分と取り組んでいましたから、どうしても、
新商品であるヘッドホンとなればついつい確かめたくなります。
かつてはヘッドホンにコードが無くなればと思っていましたから、
Bluetoothのヘッドホンはどうしても音が気がかりです。
とりあえず、収集して気に入っている機種4種があります。
なぜ、4種かといえば、それには大きな理由があります。
ヘッドホンは局部音場しか確かめることができません。
私自身老齢化してきたことは、すでに左聴覚は弱くなっています。
そして、局部音場では、音像を確認することは出来ませんが、
本当に良くなってきたと思っています。
Bluetooth自体は、音響通信環境としては優れていませんが、
それをヘッドホンの音響技術が補ってくれています。
ヘッドホンをデザイン設計してきた経験では、
いわゆる人間工学的なデザインがまったく無視されています。
そのことについては仕方の無いことですがやや不満です。
それは重量と側圧の関係はすべてデタラメだと思っています。
私の音響環境は、音像はJBL4343ですが、音場はB&Oです。
私の音響哲学では、音像と音場が必ず二つは必要です。
今では技術は残っていませんが、
ヘッドホンの駆動方式は「エレクトレットコンデンサー型」、
これが最適であり、それは私の過去の作品=商品でした。
残念なことは国産のヘッドホンが海外製のモノマネは許せません。
そして、結局、ヘッドホンアンプが問題になってしまうわけです。
でも両耳だけですからこの趣味は辞めるべきだとは思っています。

「バイノーラル録音・本当の耳音」
HR-710
HR-810
HR-910


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