kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘Q&A’


『資本主義からの逃走』
   「回答なら、この『答』にも三つの質あり」


   


     10月 2nd, 2010  Posted 12:00 AM

回と廻と徊
回・廻・徊、それぞれ三つの思考から
問題解決の三つの答をしっかり見詰めます。
「応答」・「回答」・「解答」という答、それぞれの形式・内容・意味、そして質です。
今夜は「回答」を精密に、詳細まで検証してみます。
私たちは、問題に対して「解答」も「回答」も区別無く使っています。
それはそれで構わないとも私は思っています。
ところが、Questionに対してAnswerとなると、Answerは「回答」が良いように提案しておきます。
そうすれば、問題解決での「問題」=Problemに対して「解答」=Solutionが、
より明確、明快になると考えるからです。
さてまわる・まわす・めぐる・めぐらす・かえる・かえす、という答に対しては、
「課題」←→「回答」と考えておきます。
回答という答に三つの質あり

● もとにもどす、かえす答え方
「古来征戦幾人回」(王翰)
決まっている課題には回帰する答がある。
● 逆戻りして、たがうという答え方
「経徳不回」(孟子)
経徳は回(よこしま)ならず、わきにそれることのない正しい答がある。
● 回数を示す答え方
「人間能得幾回聞」(杜甫)
人間というのは、よく何回も何回も聞くことで知り得る答がある。

Question & Answer

結局は、「課題」になることは、だれもが問題だと意識したり、
まったく知らないから、身辺、身の回りだとか、ある問題の回りQuestionに対して、
これが「答」、すなわち「回答」というAnswerになるということです。
教えられることや教科書には、課題が設定されていてそれを、基本的な考えをめぐらして、
あるいは課題の中心にかえって答を覚えておくことにつながります。
これがQ&Aでしょう。

■ 課題の核心にもどすという答
■ 考えを巡らせば必ずこうなるという答
■ 身の回りに存在しているから何度も聞いてたどりつくという答

「回答」というのは、
本当に、回りだとか回転しているだとかという考えを巡らして解決をつける、
いわば、常識的となるような決着をつける質を持っている答だと思っています。


目次を見る

『資本主義からの逃走』
   「問題解決は箱に三つあり」


   


     9月 30th, 2010  Posted 12:00 AM

箱の竹冠
箱は古代中国で定義されています。
竹で編まれた器に「蓋」があることです。
したがって、箱という漢字は、相=対象物をしっかりと見ることに
竹冠の「蓋」がなければ、それは箱ではないということです。
さて、問題を解決すれば、それは「答」になります。
この「答」という漢字も、竹冠がついています。
竹冠がぴったりと「合う」ということが答になるというわけです。
箱の蓋がぴったりと「合う」ことを「答」は意味しています。
そこで、答というのも問題解決の問題を種別すると、
次のように考えることができます。
応答・回答・解答
問題には、 三つの答があるということです。

 ● 話題=Topicsに対して 「応答」=Reply
 ● 課題=Questionに対して 「回答」=Answer
 ● 問題=Problemに対して「解答」=Solution

このブログで「一般解」と「特殊解」について記述したことがあります。参考にしてください。
私が、ことさらこの三つの「答」にこだわるのは、
デザインで問題解決をしている「答」がどれにあてはまるのだろうか、ということです。
私たちが、小中高での問題は、話題と課題にすぎません。
大学入試というのは、まさにQ&Aであり、
本来、問題解決されている製品・商品もQ&Aがセールストーク問答集になっています。
解答とは創出である
現代、この新世紀に求められているのは、
何が、プロブレムであって、どうソルーションにしていくか、ということです。
職能的専門家も、「応答」と「回答」をしているのは、
伝統的なプロフェッショナルではあるかもしれませんが、
真の意味での「解答」を出しているとは言えないのです。
私は、問題解決とは「解答」の創出だと確信しています。
まさに、問題を箱に入れたら、その解決の「答」は、
ぴったりとした「蓋」でなければならないということだと私は考えています。


目次を見る

『資本主義からの逃走』
 「応答や回答は、デザイン解に至らずか・・・」


   


     3月 10th, 2010  Posted 1:15 AM


私は「答」という文字は実に完成された文字・漢字だと思います。
「箱」という文字にも竹冠があります。
この竹冠は、まさしく竹という素材でできた蓋だそうです。
だから箱というのは蓋があって対象物が入っている容器です。
となれば、竹で出来た、多分編まれた蓋がピッタし合うこと、
これが「答」ということになります。
私は、「答が違う」というのは、蓋がうまく合っていない、
そういうことになるんだと思います。
話題ー応答
そこで、「話題=Topics」に対して「応答=Reply」があり、
「課題=Question」に対して「回答=Answer」があるわけです。
そこで学校の勉強は、Q&Aに過ぎません。
セールスマンもQ&Aのマニュアルをもたされます。
さて、話題ー応答というのは会話に他なりません。
ただし、これはリアルな会話であり、Twitterでの会話は、
別次元です。デジタル時代のchatやE-mailは、
応答が、Face to Faceとは大きく異なってきました。
「会話」=パロールという事態は情報コミュニケーションで、
大きく変貌してしまったのです。
課題ー回答
これは、教育現場での「会話」による「課題ー回答」の質も
変容させています。
したがって、デザイン解決は「話題ー応答」でもなければ、
「課題ー回答」でも無いことが求められています。
前回私は「回答」という二重性には強度があると述べました。
それは、商品のコンセプトが、
「話題性」になるというのは「応答」しているだけです。
「課題性」への「回答」商品も、本質的価値は持たないのです。
核心は、「問題解決」・「難問解決」です。
デザイン解決
問題=problemー解答=solution
それは、真に「問題=problem」に「解答=solution」です。
これこそ、デザイン解決、
すなわち、デザイン問題に対してのデザイン解答です。
これこそ、「デザイン」に最も突きつけられている、
デザインソルーションが出来たかどうかと言うことでしょう。


目次を見る