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Kazuo Kawasaki Official News


Posted : 12月 9th, 2011  1:52 AM

特別講義

名古屋工業大学 デザイン演習II 集中講義
■ 日 時:12月9日(金)15:00〜
■ 場 所:名古屋工業大学 51号館 5111教室
■ 詳 細:名工大伊藤孝紀先生ブログ
名古屋工業大学にて1日のみの講義を行います。
一般公開されますので、お近くの方はいかがでしょうか。
(「詳細」から事前申込みが必要です)

Posted : 12月 9th, 2011  12:00 AM

多分、1980年代後半から日本の大学に、
「環境デザイン系学科」が生まれてきました。
しかしそれは日本では、ほとんどが建築系が中心。
建築学科すら「環境デザイン」と名辞するほどになりました。
そこで、私は「環境デザイン」不要論を準備したことがあります。
理由は「環境デザイン」の対象が都市計画や建築空間と限定したからです。
例えば、KAIST=Korea Advanced Institute of Science &Technologyでは、
「環境デザイン」の対象は、情報とロボットです。
これは昨年亡くなったWilliam J. Mitchell氏、
MITの建築学部長だった彼が、
三つの著書でいみじくも指摘している「環境」をさらに「空間」として、
情報空間・人工空間・ロボット活動空間から再度、
建築や都市計画をとらえ直していることを考慮すれば、
まさに、情報とロボットが対象です。
まさしく私が発言してきた
Ambient Media Integration Spaceということになります。
したがって日本の、特にデザイン系大学での、
「環境デザイン」は再定義が必然だということになります。
ということは、今度は情報工学やロボティックス工学からも、
「環境」と「デザイン」を工学としてとらえ直すべきです。
私は、William J. Mitchellの「City of Bits」の書評を書きました。
それも建築専門誌の依頼で紹介もかねて書きました。
その本は「建築学会なんとか賞」を日本が与えたと思います。
日本の環境の定義は、とりもなおさず、自然環境から人工環境、
具体的には建築的空間になります。
しかし、環境ということ事態が変化変貌しています。
特に、3.11で私たちが想い知らされた日本の環境は、
今現在、もう一度熟考させられています。
William J. Mitchellは、
私はこの三冊で自分の役割が終わったとまで断言しました。
あらためて、三冊の書籍を紹介し、
「環境デザイン」の再定義の必然性を強調しておきます。

Posted : 12月 8th, 2011  10:00 AM

12月8日 赤口(丁酉)

自分のアイディアを具現化するために、
もっとも的確な理由と説明を
わかりやすく解説することだ。
なんとか相手の理解を得ようと
説得することなのだ。

説得すること、
それがプレゼンテーションだ。

『プレゼンテーションの極意』「口説き」、それは三位一体

Posted : 12月 8th, 2011  9:12 AM

12月8日

毎年恒例、
多摩美術大学にて特別講義を行った
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)


講演のタイトルは
「3.11以後のデザイン」でした。


これからの世界をどうすべきか、
「夢の形見に」の紹介も挟みながら、
未来のデザイナーへの
メッセージを語るBOSS。


講義には多摩美術大学学長の、
五十嵐威暢先生もいらっしゃいました。


講演終了後も、学生の皆さんから
質問をたくさんいただきました。

多摩美術大学の皆様、
ご聴講いただきました一般の皆様、
ありがとうございました。

Posted : 12月 8th, 2011  12:00 AM

今、日本のデザインは方向を間違っています。
誰かが指摘しておかなければならないでしょう。
私は、「応答商品」が氾濫し過ぎていると思います。
デザインは問題解決の手法です。
そして、問題には三つの種類があります。
話題・課題・問題です。
だからそれぞれに「答」がありますが、
これも三種類の答があることを認識すべきです。
話題に対しては「応答」
課題に対しては「回答」があります。
もちろん、話題に対する答としてのデザインは、
造形として、かわいいデザインであったり、
その商品存在が話題になるべき流行やファッション性、
これは不可欠のことです。
社会的な課題になっていることの「回答」商品も必要です。
そして、元来、根本、極めつけは、
何が問題であるかを見つけ出し、その解決「解答商品」が最も重要です。
どこか日本のモノづくりが歪み出しているのは、
「解答商品」を新商品で見かけることが少なくなってきました。
まだ、課題に対して「回答商品」ならば、
国際的な競争力があります。
しかし、ともかく社会的な「話題」だけを追い求め、
あたかも共時性があると錯覚している商品は、
「応答商品」にすぎません。
そのような商品づくり・モノづくりは、
頭脳集約産業の「答」商品ではないことを確認しておくべきです。
どの分野のどの領域かは明言できますが、
まずは、「応答商品」を話題にしている産業は、
確実に国際的競争力を喪失するのです。
私は自分が「買う」と判断するときには、
必ず「問題解決」を果たしているモノを選びます。
日本の再生として、ともかく「問題解決」がデザインであり、
その答としての「解答商品」づくりに
集中させなければならないと考えます。

Posted : 12月 7th, 2011  1:17 PM

多摩美術大学特別講義
「3.11からのデザイン」
■ 日 時:12月7日(水)16:20 – 17:50
■ 場 所:多摩美術大学 八王子キャンパス レクチャー棟 Cホール
■ 校内地図:こちら
多摩美術大学にて特別講義を行います。
一般公開もされます。ご興味のある方はぜひお越し下さい。
(一般の方はお車での入校はできません)

Posted : 12月 7th, 2011  9:30 AM

12月7日 丙申(大安)

金融、
すなわち「財閥」というネットワークの下に
企業がぶらさがるインダストリアリズムは、
とっくに終わっているのだ。

『デザインの極道論』いたましい

Posted : 12月 7th, 2011  12:01 AM

12月6日 乙未(仏滅)

だがデザイナーとして、
絶望へのプロセスを生み出すことには
絶対に反抗し、阻止しなければならない。

だがデザイナーとしての観点から
見えてくるのは、
「いい加減なおかしさ」
ばかりだ。

『デザインの極道論』いたましい

Posted : 12月 7th, 2011  12:00 AM

これは東芝デザインセンターから借りました。
東芝デザインセンターの社会システムデザインチームは、
いち早く、被災地調査に入りました。
若手デザイナーのまなざしがどこに向けられていたのかを知りました。
これはマスコミや写真ジャーナリズムとは全く異なる視線です。
どこからどこを見つめてきたかということが明白でした。
この写真はその一部ですが、
大津波は二度襲いかかっていたのです。
まず、海から襲いかかってきましたが、その力よりも、
引き潮となって海に津波がもどっていくときの力の大きさです。
バス停や案内板の脚棒が海に向かってグンニャリと曲がっています。
海から襲いかかったときよりも引き潮で海に津波が戻る力の巨大さです。
こうしたことを発見するまなざし力がデザイナーにはありました。
東芝は原発の復旧と同時に「復興計画」を同時進行させています。
したがって現地調査で「何を災害力」として発見してきたかが問題です。
私は、この調査チームがどこを見てきたかを知って、
デザイナーの視線の強さを知りました。
そして、この調査から「減災」というコンセプトが加えられました。
日本列島は自然災害にはとても脆弱過ぎます。
大地震大津波や山崩れ、大洪水、火山爆発などがいつ起きるか不明です。
したがって、こうした自然災害に向かっていかなければなりません。
そこで、すでに被災した結果の十二分な調査から何を学び取るかです。
デザイナーの調査チームが災害時に何が起こっていたのか、
その災害結果へのまなざしは大変に重要です。
私も東芝デザインセンターにOBとして加わり、
「復興計画」に参画していますが、
こうした若いデザイナー達が何を発見してきたかを知りました。
大津波の引き潮についても対策を考えなければなりません。
私は、調査チームのまなざしから多くの減災対策をつかんでいます。
3.11以後、日本のデザインに課せられたテーマ、
その大きさをあらためて噛みしめています。

Posted : 12月 6th, 2011  12:23 AM

12月5日 甲午(先負)

人生とは、
思いがけない運命を用意しているものだ。

『デザインの極道論』いたましい